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2022.11.12〜二階から目薬〜
にこいち
にこいち
11月12日 22:22

井指です。

 

先日、癖強めの友達から

「子どもの頃「二階から目薬」を本当に試してみたことがある。」

という話を聞いてふと疑問に思いました。

 

まず最初に、「二階から目薬」の意味は

・何度やってもうまくいかず、もどかしい気持ちになること。

・回りくどくて効果が得られないこと。 あまり効率的でない状況。

 

言葉の意味としては、とてもわかりやすいですし、

同じ意味として「天井から目薬」があるくらいなので、

目薬を落とす高さが、二階でも五階でも、建物の高さは関係ないのかな、とか思います。

 

問題は、「目薬」という今、僕たちがイメージするあの容器をクッと摘むと、

ちょうど一滴二滴優しく落ちてくれる、あの目薬の、あの感じが

ことわざになるくらい古くから存在したのか??ということです。

もちろんプラスチックの容器なんてないにしても、

眼球に液体を入れて、それが薬の役割を果たす、という医学も、

そんなに古くからあったのかな??とか。

 

由来を調べたところ、

「二階から目薬」が初めて世に出たのは、1700年(元禄13年)江戸時代中期だそうです。

ただし、現在のような液状の目薬が一般的に広まったのは、

江戸時代後期から明治時代初期頃。

この句が有名になった江戸中期の目薬は、「瞼に塗る軟膏タイプ」が主流だったそうです。

 

由来となった『風流御膳義経記』の浮世草子に登場した

「二階から目薬をさす仕掛け、さりとは急な恋ぞかし」という句。

浮世草子とは当時の世相や人情を描いた文学作品の一種で、

この句は「二階から目薬をさそうとするとは、なんて急な恋ですこと」という意味だそうで。

さまざまな解釈があるが、二階から目薬をさす距離を男女の距離感になぞらえ、

恋愛の妙を詠っている。

 

ということだそうです。

僕たちがついイメージしてしまうスポイドタイプの目薬を、

高いところから下にいる人の眼球に命中させて、

「二階から目薬をさして命中するくらい確率が低い」

というイメージは少し間違っていて、

 

二階から(軟膏タイプの)目薬をさそうとするくらい届かない距離を表していて、

上下の距離のイメージではなく、人と人との具体的な気持ちの距離。

手や指先を一生懸命伸ばしても届きそうにない、

その距離の「もどかしさ」「うまくいかない様」を表しているのだと

僕は解釈しました。

 

「まぐれ当たり」という考えはそもそも間違えですね。

 

例文

・「相手に自分の気持ちを気づいてもらうのを待っている君を見ていると、二階から目薬だよ」

・「会社の経営を立て直すのに、この金額では二階から目薬だ」。

・「遅刻癖のある彼に、そんな優しい注意の仕方では二階から目薬だ」。

 

ちょっと意味が変わって、すごく勉強になりました。

癖の強い友達、ありがとう。

  • ぐっどはあと
    11月13日 0:43

    ちょっと何 言ってんのか わかりませーん(笑)
    でもそんなこと興味深いですよね。
    私も今日 半藤一利さんの戦争に対する気持の番組さっきまで見てました。いろんなこと知るのはなかなか面白くて、ついつい夜更かししちゃいますよね。
    紹介して頂いた文献 ジュンク堂で探して見ようかな?
    その前に大河ドラマの元ネタ 吾妻鑑 岩波文庫で読んで見たい気もしますけどとりあえず寝ましょう、、
    おやすみなさい。

    • にこいち
      11月23日 3:18

      語源や意味を調べると、間違ってたり、時代とともに変化してたり、
      面白い発見ありますよねー!!