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2025.1.17〜30年〜
街が壊れる音が聞こえた。
揺れを感じたと言うよりは、その音の大きさに驚いて目が覚めた。
家の何かが倒れたのか。
住んでいたマンションの何階かが落ちてきたのか。
とにかく聞いたこともない大きな音がした。
その数秒遅れて母さんの悲鳴が聞こえた。
二段ベットの二段目に僕、一段目には妹。
慌てて父さんが二人を連れにきた。
父さんと母さんの寝室に家族四人で姿勢を低くして固まった。
真っ暗だった。
「死ぬの?」と僕は聞いた。
「わからん。」と父さんが答えた。
なんでも知っている父さんですら「わからない」のだという事実が、
何よりも命の危機を実感させた。
小学校一年生。
あれが、「死」を隣に感じた初めての経験だった。
あの日のことを風化させないために。
何年先も風化させないために。
そう言いながらも、僕は日々の生活の中で、
徐々に徐々に年月を経るごとに正直、薄れそうになる。
だけど、やっぱりこの日が来ると、
鮮明にあの時の朝を思い出す。
街が壊れた音、母さんの声、僕ら二人を抱えてくれた父さんの腕、
部屋の薄暗さ。空の色。丘から見えた煙だらけの街。
粉々になった景色。
助け合った人たち。
凄まじいスピードで蘇った神戸。
小学校一年生だった僕から見えた、
小さな視線で見えたあの記憶を。
毎年ちゃんと伝えよう。
誰かのために。
自分のために。
これからの未来のために。
2025.1.11〜レコーディングスタート〜
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