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僕は勝ち負けに一喜一憂しない。勝ったらうれしいけど、負けて悔しくたって腹を立てたり機嫌が悪くなったりすることはない。「やれやれ」くらいは思うけど、それ以上でもそれ以下でもない。
子どもの頃、夏休みになると父と一緒に甲子園や西宮球場に足を運んでいた。勝っても負けても、そこで見たプレーや応援の光景は心に残っている。野球はそういうものなんだと、あの頃から思っていた。
だってね、一番勝ちたいのは選手たちだし、そのために彼らが毎日どれだけの努力をしているかは見ていればわかる。誰よりも自分たちに厳しく、チームの勝利のために準備をしている。その姿勢がある限り、僕は勝敗以上に彼らの「やってきたこと」を信じたいと思う。僕らはその姿を見に球場へ行くんだ。
だからこそ「なんであそこで打てないんだ」「なぜ交代しないんだ」なんて声には少し距離を置いてしまう。野球は本当に難しいスポーツだということを僕は知っているから。例えば、打者は0.3秒の間に150キロの球種を見極めてスイングしなければならないし、守備では打球の方向とバウンドを一瞬で判断して身体を動かす必要がある。作戦一つとっても、相手のデータと選手の調子を天秤にかけて決めるものだ。そして采配を振るう側もプロ中のプロである。「なぜそこでその作戦なんだよ!」「なぜ〇〇を使わないんだよ!」なんて考え方を僕はしたことがない。すべての決断には、その背景に緻密な準備と判断がある。
それって、僕たちの仕事でいうと「なぜそこにその歌詞が来るんだよ!」「なぜこのコードの後にブレイクをつけないんだよ!」と観客から言われるようなものである。なぜって? そこには意図があるからに決まってるだろう? そして、その意図が失敗することだってある。というか、失敗の方が多いのだ。うまくいかないからこそ、次に活かすことができる。そして、どんなことでもそうだが、失敗からしか学べないのである。
昨日の試合は11対1で負けた。スコアだけ見ればワンサイドゲームだったし、実際に試合内容も苦しかった。初回から流れはオリックスに傾き、スタンドの空気もどんどん重たく沈んでいった。誰もが、これは厳しい試合になるぞと感じていたと思う。先発の金村が初回に頓宮にスリーランを浴びたのがすべて。たった一球、でもその一球が試合の流れを決めてしまうのが野球の怖さだ。
僕はフォアボールとホームランと三振だけがピッチャーの責任だと思っている。MLBを長く見てきたせいで、その考え方が身に沁みている。つまりフィールドに飛んだ打球がアウトになるかどうかは運であり、どれだけ完璧なスイングでも正面を突けばアウトだし、ボテボテのゴロでも間に合えばヒットになる。
MLBには「BAPIP」という指標があり、それは「ホームラン、四死球、三振」以外のフィールドに飛んだ打球の打率のこと。つまり「どれだけ運によって左右されているか」を数字で見るもの。完璧な指標ではないが、ある選手がある年突然打率が上がって翌年に急に下がったりするのはこのBAPIPを見れば「なるほど、この年はフィールドに飛んだ打球が安打になる確率が高い=運が良かった」のね、と考えることができるのだ。
この指標は「被BAPIP」で投手にも使える。たとえば、芯を外して打たせたはずの打球が、ちょうどセカンドとライトの間に落ちてしまうことがある。逆に、完璧に捉えられた打球でもサードの真正面だったらアウトになる。どれだけ芯を外した打球で打ち取っても、なぜか誰もいないところに飛んでしまったり、どれだけ強い打球が飛んだとしても、キャッチしてしまえばそれはアウトなのだ。野球って、ほとんどのプレイが運によって左右されている。「ホームラン、四死球、三振」以外は。
だから、ホームランを打てる選手は貴重だし、四球が多い投手は評価が下がるし、三振が取れる投手は試合終盤の大切なところに起用されるのだ。すべてその逆もしかりだ。数字の裏には物語があるし、スタッツには選手たちの見えない努力が詰まっている。
オリックス九里投手の投球。メジャーによくいる、打たせて取るピッチャー。初回に万波に見事なホームランを打たれたあとは、打者の芯を外す投球に徹し、ホームラン以後のヒットは内野安打二本と、清宮によるセカンドの頭を超えたヒット二本だけ。見事だった。
完敗。昨日の宮城といい、オリックスの先発投手に二日続けて完璧にやられてしまったなという印象。相手が上手だった。それに尽きる。こちらが悪かったというより、相手がそれを上回った。そういう試合もある。
連投の山本拓、松岡も失点を重ねたけれど、あの展開ではある程度やむを得ないと見た。松岡は二死からの失点が二イニング続いたのが評価を下げたかもしれない。一つは内野安打から、一つは四球から。そんなものである。でもね、こういう登板の中でも経験は蓄積されていく。若い投手には失敗も財産だ。
八回。完全に試合が決していた場面で登板した福谷。いわゆる敗戦処理の場面だが、彼がそんな投手でないことは観客もみんな知っている。場内に名前がコールされた時、ライトスタンドからは大きな拍手が起きたことを伝えておきたい。FAでやってきた投手がこの場面で投げてくれる。中日からの移籍後、目立つ場面での登板は少なかったが、彼の真摯な姿勢や人柄はファンの間でも評価が高く、地道に積み上げてきた信頼が、この拍手の大きさに現れていた。チーム事情はもちろんわからないが、グッと来るではないか。見事な投球で三者凡退、スタンドの拍手は一番大きかった。ああいう投球は胸を打つ。
最後に投げた齋藤友貴哉、157キロのストレートは鮮烈だったけれど、こちらも二死からフォアボール二つからのタイムリーでの失点。これでは安定感がない、と評価されてもしかたがないかな。でも、157キロの直球には夢がある。今日ダメでも、明日がある。僕はそう思っている。
さあ、今日もデーゲーム。先発が二試合続けて崩れているので、バーヘイゲンにはなんとか良い投球で試合を作ってほしい。初回の立ち上がりを大切に、リズムよく、テンポよく。きっと試合は締まった展開になるはずだ。
スタンドには、どんな時でも背中を押し続けるファンがいる。昨日の悔しさを胸に、今日の一球一球に希望を込めて。大丈夫、すべては「運」なんだ。みんなの努力が今日は実るって、僕は信じてるよ!
昨日は、いくつものレッスンを行い、新しく作家を志す方との面談もありました。自分の作曲も少し進んで、ラジオの収録も無事に完了。とても充実した一日でした。
今週の「POP A to Z」は、予定を変更して追悼特集をお届けすることにしました。日本の音楽シーンを長年支えてきた偉大なソングライターチームのおひとりが、先日この世を去られたのです。その方が関わってこられた楽曲を、あらためてご紹介したいと思いました。僕自身にとっても、大きな影響を与えてくれたヒット曲たち。きっと、皆さんにも馴染みのある名曲がたくさん流れると思います。
夜、地元の友人からLINEが届きました。「今、お前らの曲がテレビで流れてるよ」と。なんのことだろう? と詳しく聞いてみると、僕たちFOUR TRIPSのデビュー曲『WONDER』が、TBS系のテレビ番組で流れていたとのこと。
『WONDER』は、1997年放送のドラマ『友達の恋人』の主題歌としてリリースされた楽曲です。決して大ヒットとはいえないけれど、まあ“ポテンヒット”として、それでもそれなりに多くの方に聴いていただきました。そんな曲が、今またテレビで流れる――素直にうれしい出来事です。
後からTVerで番組を確認してみたところ、TBSのドラマの歴史を振り返る特集のなかで『友達の恋人』が紹介されていました。番組の流れとしては、TBSのヒットドラマを紹介し、その時代の空気を振り返る、という趣旨だったようです。輝ける大ヒットドラマの中で、なぜさほどヒットしなかった(失礼w)『友達の恋人』が紹介されたのかというと…まあそのあたりは、ぜひTVerで観てご確認ください。
ただひとつ、少しだけ気になったのは、楽曲のクレジットについてでした。番組内では、サザンオールスターズ、B’z、山下達郎さんなどの主題歌には、きちんと曲名とアーティスト名が表示されていたのに、僕たちFOUR TRIPSの『WONDER』は紹介クレジットがありませんでした。
昨夜のうちは「まあ、そんなこともあるか」と思っていたのですが、朝になってふと考えると、やっぱり少し寂しさが残りました。曲を流していただけたことには、もちろん感謝しています。しかしながら、「FOUR TRIPS / WONDER」と名前が添えられていたらな、と。どういう基準でクレジットを入れるか入れないかを、編集担当者はどう判断したのだろうと考えてしまいます。
それでも──二十年以上、いや、もう三十年近く経っても、こうして曲が流れるというのは、やっぱりすごいことだと思います。一曲でも、“ヒット曲らしきもの”があるというのは、本当にありがたいこと。あのドラマやあの楽曲には、いろんな想いがあります。ほんのちょっとのいい思い出と、それをはるかに凌駕する切ない思い出と。28年たっても、こんな気持ちになるなんてさ、いかにもオレたちFOUR TRIPSらしいな、とも思いました。
だからこそ、あらためて思ったのです。自分がもし、クレジットを出す側の立場にあるなら、有名か無名かで扱いを変えるのではなく、できる限りフェアにやろう、と。
もちろん、こうして流していただいたことへの感謝は、心から持っています。誤解のないように。それだけははっきり言いたい。怒っているわけではありません。ただ、もしこの文章を読んでくださっているあなたが僕の立場だったとしたら――きっと、同じように感じると思うんです。そりゃそうだよね?
娘にもLINEで知らせたところ、とても喜んでくれて、わざわざTVerで番組を見てくれたようでした。ほんの少しでも、パパとママがあの頃がんばっていたことが、娘に伝わったなら、それはそれで良かったかな。
『WONDER』のあとは、僕らまったく鳴かず飛ばずで、結局神戸に帰っていろんな仕事をしながら、作曲家になるべく体制を立て直そうと必死でした。当時の僕の夢は「もう一曲、カラオケに入るような曲を作ること」でした。『WONDER』はカラオケに入っていたので、それに続くもう一曲を――というのが、あの頃の僕にとってはとてもとても高い目標だったのです。でもそんなことを口にしても、周囲の反応は冷ややかでした…
「おまえはまだそんな夢みたいなことを言っているのか」と。
あれから28年。今では、僕が作った曲をすべてカラオケで歌おうと思ったら――おそらく仲間たちと回して歌ったなら、2時間では足りないでしょう。本当にありがたいことです。音楽の神様に、そして、音楽を続けさせてくれる環境と周囲の人たちに、何より応援してくれるファンのみなさんに、心から感謝しています。
自分のデビュー曲が、またテレビで流れる。そんな出来事を通して、いろいろなことを思い出しました。――ソングライターって、ほんとうに、めんどくさい生き物ですね。
おはようございます!
作曲配信は今日も必見。なかなか濃い内容になりそうです。ブログを書いて、気持ちを整えて、さあ、いざ!
僕にとって作曲は、瞬発力が命です。ひらめきを得るために準備をして、一気にそこに飛び込む。だからこそ、整えておきたい。今日もうまくできるかな?と思いつつも…
大丈夫! これまでうまくいかなかったことなんて、実は一度もないんです。
結局、最後には全部うまくいくんだから。
おはようございます!
昨日、何気なく読み始めたカフカ『城』があまりにもおもしろくて、気がつけば夢中になってました。なるほどこういうことか、意味などにとらわれず、まるごと楽しんでしまえばいいんですね。古典、好きです。
さて、昨日は全体Zoomミーティング、今回も石崎光さんや白井大輔くんとの接戦の末、「BINGO大賞」をいただきました。やっぱり同業者や作曲を勉強しているゼミ生に評価されるのはとても励みになるものです。
大好評の振り返り配信、今回もやりますよ! じっくりお楽しみ下さいね!
おはようございます。爽やかな月曜日。札幌は快晴です。昨日も朝から晴れていて、嬉しくなって布団を干したんですけど、ちょっと油断してのんびりしてたら、まさかの吹雪! 今日はさすがに大丈夫……だよね? それでも、春は確実に来ています。たとえ気温がマイナス4度だって、春は春。
さて、プロ野球もメジャーリーグも開幕しました。マリナーズはまあ……いろいろありますけども(苦笑)、我らがファイターズは敵地・所沢で、なんと開幕3連勝!
僕にとって野球って、「人間研究」なんですよ。クラシックを研究する人もいれば、映画を通して人間を掘り下げる人もいる。舞台、絵画、写真……みんなそれぞれの方法がある。僕にとっては、それが「ベースボール」なんです。
中でも、「弱いチームが強くなる」プロセスがたまらなく好き。昔からずっと、そういうチームを観てきました。強くなったチームって、必ず一度は崩壊するんです。たとえばファイターズ。ダルビッシュ有、大谷翔平、それぞれの時代に頂点を極めたあと、彼らはもっと大きな舞台へと旅立っていった。そのたびにファイターズは一度リセットして、育成を通じてまた強くなってきた。それは、とても自然で健全なサイクルなんです。
僕が心底苦手なのは、「強い状態を買ってくる」こと。無理やり選手を集めて、見かけだけ勝ち続けるチーム。もちろん、それが悪いってわけじゃない。でも、僕は全然好きになれない。何がおもしろいんだよ、って思ってしまうんです。
──そんなことを、最近あらためてよく考えるようになりました。
人生だって、きっと同じなんだよなって。「不特定多数」に好かれても、仕方ない。いわゆる「バズる」ってやつ。僕もYouTubeやブログで、それなりに手応えを感じたことはあります。でもそれって、誰かのカバーだったり、誰かの曲の解説をしたり、つまり「誰か」の背中に乗っていただけなんじゃないかって。いや、それももちろん楽しんでやってたけど、再生回数や視聴数ばかりに目がいくと、どこかで自分が削られていくような感覚があるんです。
それって音楽の作り方にしてもそうなんですよね。余計な「色気」は必要ない。ほんと、心の芯からそう思う。
たとえば「僕のファイターズ大航海日誌」っていうタイトル。明日から変えようと思っています。なんだろう、この世間におもねた感じ。あわよくばバズってくれたら……みたいな。ほんと、ダサい。
もっと軽やかに、もっと素直に。あくまでこれは、僕の人生の中の、僕のささやかな生き方。誰かの視線を気にしたものじゃなくて、僕が本当に面白いと思えることを書きたい。
誰の心を撃ち抜きたいのか?──答えは、そう。「僕自身」。僕が読み手として、「これ面白い!」と思えるもの。それを、淡々と書き続けるしかない。どこかに、「商売っけ」とか「ちょっとマウント取ろうかな」みたいな気持ちも、確かにあったんですよね。カッコ悪い。ああ、ダサい。
でも、もうそういうのやめます。開幕前に気づけて、本当によかった。これからは、自分を相対的にじゃなく、より「個」として濃くしていくフェーズ。今なら、独りよがりにならずに、それができる気がしてる。それでもあなたにだけは届いてほしいって願いをこめて。
今日から、僕は変わるよ。
さあ、今週もガンガン作曲していきます! ここが「あの頃夢見た未来」なんだから!