blog
Suno AIの進化が
未来の音楽の地図を
しずかに確実に
書き換えてしまった
けれど僕は怖くない
むしろ 新しい扉が
開かれたような
そんな気さえする
誰もがソングをライトする
僕は 著作権に忠誠を誓いながら
音楽を作る喜びだけを抱きしめて
AIと作曲するためのレジュメを書いた
それは新しい地図
BINGOの仲間に手渡すと
みんな笑顔になって
いつのまにか
自分の足で歩き始めたんだ
霧の向こうに
細い光が一本
そっとあらわれるように
けれど
AIはときに
迷いも運んでくる
その迷いを分ける理由は
音楽の本質に触れる場所にあって
ここではまだ言葉にできない
マジックのタネは大切に
ボスはいつも僕に言った
AIについて語るたくさんの動画
どうして誰も
簡単なことに気づかないのだろう
そう思うと 微笑んでしまう
灯台、もと、くらし
結局は本質をつかめるかどうか
それだけなんだと思うんだ
AIが進化して
誰もがソングをライトする
それはすばらしいこと
これから作曲を始める人には
僕は迷わず言います
AIを研究したほうがいいですよ と
ピアノも
ギターも
DAWさえ
要らなくなる時代が
もう来るんです
じゃあ 必要なのは…
「AIより人間味だ」と
そう言う人もいるでしょう
けれど僕は思うのです
AIに奪われてしまうほどの
人間味しか持っていなかった人から
時代はそっと
手を離していくのだと
さあ! 昨夜のB1グランプリ、振り返り配信やります!
長くなるよー!!
おはようございます!
白井大輔くん作曲の新しい作品の MV が公開されました。“僕が見たかった青空『あれはフェアリー』”。ちょっと検索してみてくださいよ。いつもは分断ばかり目立つ SNS 界隈に、優しい大絶賛の言葉が並んでいます。素晴らしいよね。秋元先生の最高の歌詞とプロデュースによって、また一曲、僕たちの仲間の歌が大きな世界へ旅立ちました。
楽曲というのは生き物で、もちろんセールスにつながったら最高ですが、それ以上に“長持ちする曲”を僕たちは作りたいと思っています。
土曜の夜から日曜にかけて体調を崩してしまって、家でゴロゴロしていましたが、しっかり寝たので、もう大丈夫です!
そんなわけで、POP A to Z の告知ポストができずにごめんなさい。みなさん、聴いてもらえましたか?「作詞家・安井かずみさん特集 Pt2」。今回、2週にわたって ZUZU の愛称で知られる彼女の特集をするにあたり、またいくつか本を読んだのですが、その中でも『キャンティ物語』がずっしり重く、心に響きました。
六本木にあったレストラン「キャンティ」の物語。
安井かずみさんと言えば、加藤和彦さんとの公私にわたるコンビ。華やかな暮らし。80年代って今振り返ると、本当に明るい時代だったんだなと思います。でも当時の僕にとっては、何もかもうまくいかない、きつい時期で。あの頃の世の中の“明るさ・軽さ・眩しさ”が、とにかく鬱陶しくてしょうがなかったことを、ここにそっと告白しておきます。
ZUZUさんは病気で55歳で亡くなってしまって、残された加藤さんも、本当に悲しい終わりを迎えて……。何といっても加藤和彦さんですから。すべての音楽人の憧れの存在ですから。その衝撃はあまりにも大きくて、今もまだ完全にはショックから抜けきれていない部分があります。
僕がいつも行く代官山のヘアサロンでは、かなりの確率で加藤さんの“ヨーロッパ三部作”が流れています。オーナーの内田さんと親交があった加藤さんの思い出、少しずつ話してくれたり。その時間がとても良くて、あのお店に通う理由のひとつになっているんだと思います。
今、リビングのレコードプレイヤーで回っているのは、ZUZUさんが加藤さんと出会う前、1970年に一枚だけ残した、ZUZUさんが歌うアルバム。歌は決してうまくないんだけど、その“拙さ”がいい方向に働いていて、とても素敵なレコードなんです。かまやつさんやジュリーが作曲した曲があったり、変わったところでは石坂浩二さんや日野皓正さんが作曲した曲もあります。作詞はすべてZUZUさん。みんな若かった頃の息遣いが、そのまま閉じ込められています。
12月7日の「BINGOパーティ」の詳細もそろそろ決めないとね。当日僕もジョン役で出演するビートルズバンドの名前だけ先に決まりました。
『タイムマシンなんていらないズ』です。どうぞよろしく!
その前に今日は事務作業をがんばります。請求書を書いたり、契約書を精査したり。なんだよ、ちゃんと“仕事”みたいになってきてるじゃないか。どうなってるんだ、オレの人生。
今夜は BINGO の作家たちとの「B1 グランプリ」。僕も渾身の作品をいくつか携えて、みんなの挑戦を受けます。
まだまだ、負けませんよ。
おはようございます!
一昨日、『BINGO AID 2025』を無事にリリースしました。すでに手に取ってくださった皆さま、本当にありがとうございます。「この曲が良かった!」といった声も届き、時間をかけてつくってきた甲斐があったなとしみじみ感じています。
そして、ご参加いただいた作家のみなさんにも、あらためて心から感謝申し上げます。
本来なら春先にリリースする予定でしたが、ここまで遅くなってしまいました。待っていてくれたメンバーのみなさん、本当にごめんなさい。ですが、いろんな出来事や流れのタイミングを思うと、今ここで出せたことに意味があったのだと、今は自然にそう思えています。
自分で決めた約束と、「いや、もっと納得いくまで待とう」という気持ち。そのふたつの間で揺れながらつくったアルバムです。誰かに急かされて始めたわけではないからこそ、かたちが見えるまで時間がかかる。そんな制作でした。
待ってくれてありがとう。信じてくれてありがとう。
この作品集には、自分でも驚くくらいの愛着があります。BINGO作家のみなさんの楽曲はもちろん、ゼミ生たちの作品のすべての音符に、ちゃんと意味を持たせることができました。
バズりたいわけじゃありません。ただ、必要としている人に届いてほしい。そのためには、多くの人の目に触れる努力も必要で、そこにはどうしても誤解や雑音もついてきてしまう。本当は、ただ“必要な人にだけ”届けばいいのに──それが、いちばん難しいんですよね。
だからこそ、この文章を読んでくれている“あなた”に、あらためてありがとうを伝えたいと思います。
ここから、『BINGO AID 2025』のライナーノーツを公開します。少し長いですが、読んでもらえたらとても嬉しいです。
収録楽曲
文 マーク・ルインーソ(成瀬英樹研究家)
1. BINGO AIDのテーマ
作詞・作曲 キソエムジーク
BINGO Songwriting Club初期からのメンバー「キソエムジーク」による、ビートリーな名曲。成瀬本人ではなく、参加メンバーがテーマ曲を書くところが実にBINGOらしい。名うてのポップマニアであるキソエムのジョージ・ハリスンを思わせる佇まいのボーカルと、ソリッドなギターに注目してほしい。「ある日、キソエムが『テーマソングを書いた』と送ってきたんだ。僕はもう一発で気に入ってしまった。この曲は頭から尻尾まであんこがつまったキソエム流ポップ宣言だ。素晴らしいよ!」「キソエムとビートルズバンドを組んだんだ。これから時々遊んでいくよ!」
2. Oh! クワイア
作詞・作曲 成瀬英樹
BINGO初期メンバーの「かねまん」からのリクエストで、今年10周年を迎える「まちだガールズ・クワイア」へのリスペクトソングを成瀬が書き下ろした。町田市を拠点に歌い続ける彼女たちと成瀬とは、楽曲提供やライブ制作でいくつかの縁がある。そしてプロデューサー石田ショーキチ氏、佐々木良氏はもとより、長くこのグループを支えたKさんは成瀬の30年来の旧友でもある。「作ってはみたものの、しばらく放っておいた」と成瀬は言う。「シンプルに見えるかもだけど、ものすごくエモーショナルな歌詞だから、僕が歌うとどうしてもメッセージがダイレクトになりすぎる。迷ってたんだ。そんなある日、AIでアレンジを試行錯誤してみたら面白いバージョンが出来た。まさに、人間の感情とテクノロジーの融合。AIってこうやって使うと楽しいなって思えたね」「この歌を、町ガのみんな、それを支えるスタッフのみんな、そしてファンのみなさんにそっと捧げたい。大好きな『町田』という街にも、ね」
3. 大胆に
作詞・作曲 nelo
成瀬が立ち上げた作曲家事務所「合同会社BINGO」のコンペ採用第1号は、nelo作曲によるNMB48『スワンボート』であった。主にライブシーンで活躍するベテランギタリストneloは、ソングライターとしても一流だったのだ。「neloとは一緒にたくさんの曲を書いた」と成瀬。「風輪さんのシングルに収録された『まごころ』(成瀬と共作曲&編曲)や『ジュテーム・ジュテーム』(編曲)など、メジャーリリースに関わった作品も多いんだよ」「neloのデモって本当に味があってさ。この『大胆に』で聴かせるneloのボーカルも味わい深いんだ。作家本人の歌。これがデモならではの楽しみ方だよね」
4. ひまわり
作詞・作曲 北道 仁
『BINGO Songwriting Club』には3つのコースがある。作曲には参加しないが、生配信や投稿を見ることができる「メンバー」、成瀬自身のブラッシュアップを得て楽曲コンペに挑戦する「成瀬ゼミ」、そしてコンペには参加しないが、成瀬とミーティングの上で楽曲を共作できる「マイソングプラン」だ。北道はこの「マイソング」に今年入会した。この楽曲『ひまわり』自体はなんと30年ほど前の音源の発掘というから驚きだ。若き日の彼の才能が弾けている。「正直、このままプロを目指していたらどうなっていただろうと思うほど素晴らしいよね。北道さんとオンラインで会話してると話がつきないんだ。ビートルズとベースボール、どちらにも造詣が深い方だからね」と成瀬は言う。これからもBINGO内で成瀬とのコラボレーションで新しい作品を聴かせてもらえるのが嬉しいじゃないか!
5. 恋が始まります
作詞・作曲 池上真由
『BINGO Songwriting Club』内「成瀬ゼミ」受講者。この楽曲はコンペ初挑戦曲だが、BINGO内のプロメンバーからもこの個性に絶賛の声が上がった。20代にも関わらず、80年代~90年代の日本のロック&ポップスをマニアックに聴き漁る池上のバイタリティは、コンペや作曲の新しい時代の体現者となり得る可能性を十分に秘めている。どうか一度その耳で確かめてほしい。彼女の個性的なボーカルもあわせて。「ガミちゃんは、本当に昔の音楽に詳しい。ひとつ好きになると徹底的に追求する子だから、きっと伸びるって思ってる。細かいこと言わずに大きく育ってほしいなって思うんだ」
6. Falling in Love Again
作詞 しのゆり 作曲 岡田基弘、成瀬英樹
BINGO Songwriting Club初期メンバーのひとり「しのゆり」は、洋楽・邦楽を幅広く聴き込む名うてのリスナーである。「音楽への深い愛情と、好きな曲について語る確かな言葉を持っていた彼女なら、きっと素晴らしい歌詞を書くに違いないって僕は確信していたよ」と成瀬は笑った。そして実際、その予感は見事に的中した。回を重ねるこのチャリティーアルバムシリーズにおいて、しのゆりの作詞力は今や欠かせない存在となっている。一方、作曲を手がけた岡田基弘は、会社勤めを続けながら作曲家を志し、コンペに挑戦してきた努力家。幅広い音楽的引き出しを持つ彼が生み出したトラックに、成瀬がメロディを加えたことで、この楽曲は完成した。
7. Shine!
作詞・作曲 神咲巡
「成瀬ゼミ」受講者の神咲巡は、成瀬とほぼ同世代のソングライター。派手なキャッチコピーやラッキーパンチを狙うような作曲のスタイルではなく、一音一音丁寧にメロディと言葉を紡いでいくのが彼のやり方。この曲も基本に忠実に、リスナーが持つポップスのツボを上手に刺激してくれるから、大変に気持ち良い。音楽が文化の中心だった時代が確かにあった。そんな年月を過ごしてきた彼だから、その感触は実にStay Goldなのだ。「神咲さんは、僕を信じてくれているのがとても伝わるんだ。僕も彼のような静かなメロディの楽曲が受け入れられる時代が来るのを、心から信じているんだよ」
8. 間違えて降りたバス停で
作詞 sprout 作曲 成瀬英樹
BINGO Songwriting Club初期メンバーのひとりsproutは、風輪『胸いっぱいの愛を』をはじめとするいくつかの曲で作詞を担当している。BINGOがきっかけで作詞家デビューしたということになる。成瀬は言う。「sproutさんは以前から素晴らしい歌詞を書いていらっしゃったし、チャリティアルバムでも何曲も共作した。でもやはり、メジャーリリースできたことが僕にとってはとても嬉しいこと。このチームを作った時の思いだったからね。誰だってソングライターになれる。伝えたいことがあるならば、ってね」『間違えて降りたバス停で』も、いつものようにsproutの歌詞が最初にあって、成瀬はガットギターを弾きながら静かなメロディをつけた。「楽しかったよ」と成瀬。「ただただ、楽しみのためにメロディを作ることができた。これからはこんな歌をたくさん作っていきたいんだ、マジで」
9. 絶対Lovers
作詞・作曲 斉藤泉、Litsuko
斉藤は60代になってから成瀬ゼミの門を叩き、作曲家を志した。「イラストレーターの仕事をしながら、忙しい中時間を工面して作る斉藤さんの曲には、いつも熱い想いが通ってるんだ。メロディが鼓動を打つと言ったらいいのか」と成瀬。「斉藤さんの心の叫びをキャッチーなロックにまとめる力はすごいよ!」『絶対Lovers』のもう一人の主役は、ご存じLitsuko。元・少年ナイフで、今もバンドやソロで歌ってロックする彼女を、日本のクリッシー・ハインドと呼ぶのはいささか言い過ぎか。「それは言い過ぎかもね(笑)。でも、りっちゃんのロックマインドにはいつも感服してるんだ。僕にとって彼女は、ちょっととぼけた味わいのオモロイ妹みたいな感じ。早く彼女の作品を世に届けたいよね」と成瀬は言った。
10. Everyday
作詞・作曲 寺崎崇明
合同会社BINGOでは、作家を育成する際に一つ遵守すべきルールがある。それは「コンペのリファレンスに寄せない」ということ。毎回目まぐるしく変わる楽曲コンペのリクエストに器用ぶって応えていると、結局「何もできない作家」になるのだ。得意なことだけ集中してやればいい。そのかわり、そのジャンルが来たときには必ず結果を出せるように。テリーこと寺崎には、黄金の声と古いロックンロールへの絶大な愛と知識があった。小器用な作家から、DOO WOP歌謡専門のソングライターに変貌してからは、まさに「キープ祭り」であった。成瀬は言う。「テリーの時代は必ず来る。日本人は根っからロックンロール歌謡が好きなんだよ。チェッカーズとか鈴木雅之さんとかね。テリーはそういう曲でいつかホームランを打てるソングライターになるって僕は踏んでるんだ」
11. カーテンコール
作詞 にこいち 作曲 にこいち、後藤小百合、成瀬英樹
マツダヒロと井指冬輝からなるデュオ「にこいち」は神戸で活動を続けている。マツダは2024年にAKB48『思いやり』で作曲家デビューを果たし、井指とのコンビでは風輪の二大名バラード『最愛』『君へと続く道』を書き下ろした名曲製造コンビである。後藤はNY在住のジャズピアニストで、成瀬ゼミ受講者でもある。セロニアス・モンクを大師匠に持ち、今も大忙しの後藤だが、ジャズと歌謡曲を彼女流に合わせた楽曲には定評がある。「『カーテンコール』はにこいちの歌であるんだ。それに僕が違うメロディをつけてみるという一種の作曲ゲームをしたんだ。さゆりんにかっこいいジャズのフレーズを弾いてもらって、その上に僕がまったく違うメロディを付け直してね。いつかこういうポエトリーリーディングをやってみたくてね。井指による言葉は強くてわがままで、実に朗読向きだって思ったんだよ」
12. 夢の中まで会いにきてよ
作詞・作曲 ぬのかわいずみ
成瀬ゼミ受講者にして、シンガーソングライター「ぬのかわいずみ」の持つ独自の世界観とポップな資質が、曲の中で仲良く手をつないで踊っている。「いずみちゃんの歌はさ」と成瀬。「何を歌っても『いずみちゃんの歌』になってしまう強烈な個性を持ってるんだ。だから『型』を作るべく50年代のアメリカンポップスを集中講義した。すると変わったんだよ。コンテンポラリーな方向へ、曲が持つ美意識の針がヒットの方角に向いてきたんだ。実は『不器用な努力家』って最後は必ず勝つんだよ。歴史が証明しているんだ。変化っていうのはね、少しずつの方がいいんだよ」
13. あなたに恋して
作詞・作曲 NOBUYA
NOBUYAもゼミ生だ。「本当にいつもロマンティックなメロディと歌詞を書くNOBUYAさんは素晴らしいメロディメイカー。AIが幅を利かせる世界になることはもう避けられないけど、NOBUYAさんのようなヒューマンな個性を持っているソングライターには、AIのアレンジ能力は鬼に金棒なんじゃないかって思ってるんだ」と成瀬。「僕らの世代は高校の時カセットMTRが出て、55をこえたらAIだ。どんなテクノロジーが来ても楽しんだもの勝ちだと僕は思ってる。だって僕たちの『人間味』のアウトプットまではAIには奪えないわけなんだし」「結局、聴くのは人間なんだ。人間の感情に訴えたくて、僕たちは作品を作っているんだからね。AIだろうとどんな道具を使おうと、それは変わらないよ」
14. ベスト・フレンド
作詞・作曲 kenken
「kenkenが書くメロディは艶があるんだよね。これは、たくさんの音楽を聴いて心を育ててきた彼だからこそなんだよ。僕たちは潜在意識からメロディを紡ぐ。アイデアや知識はもっと外から入れることはできるけど、潜在意識は日々育てるものだから急には変わらないわけで」と成瀬は言う。自分自身のペースでしっかりと作曲という魔法のタネを仕込んでいるkenkenもまた、BINGOを代表するメロディメイカーである。「トラックメイカーの時代の次は、メロディメイカーが復権する。間違いない。時代はいつだってめぐるんだよ。その時まで、友よ、ともに腕を磨こう」
15. 希望の歌
作詞・作曲 白井大輔、成瀬英樹
白井大輔。活躍がすさまじい。昨年11月『風輪/「人生TENKI」(オリコン6位)』を成瀬と共作し作曲家デビューを果たすと、今年に入って、『MATSURI/「アヴァンチュール中目黒」(オリコン1位)』『僕が見たかった青空/「虹を架けよう」』『MATSURI/「アガベの花」(オリコン3位)』と止まることを知らない。「正直、白井がここまで成功するとは一ミリも思わなかった(笑)。ただ、彼は音楽人なんだよ。腹をくくった人間特有の何かがあるって僕は感じてる。知り合ってもう25年もたつんだけどね。まったく、人間の力ってのはすごいな。50手前でここまで成長できるとは。ちょっと信じられないよ」『希望の歌』は白井が書いた曲に成瀬がサビをつけた。この二人の楽曲がコンペにおいて返却されることは稀である。貴重な名曲、自信を持ってお届けする。
16. 君と二人で
作詞・作曲 にこいち
ここに「にこいち」の新曲をお届けする。マツダヒロがここ数年で駆け抜けた「コンペ期」を終え、「にこいち」の活動に一本化する流れになった。「マツダには全部伝えた」と成瀬は言う。「伝えすぎたこともあったかもしれない(笑)。いつか彼らが音楽を続けるにあたって、はたと気がついてほしい思いはある。ただそれは、あるポイントをしっかりクリアしなければ理解しえない感情なのだと、僕もようやく最近気がついたところなんだ」「The Whoの『マイ・ジェネレーション』で、“老いる前に死にたい!”って歌ってる彼らが、もうかなり老人になってもそれを歌ってるっていうね。ロックってどこか滑稽で、だからこそ愛おしいんだと。彼らがそれを体現しているなら、The Whoがそうなんだから、そうなんだよ。にこいちなりの世代音楽を高らかに鳴らすことができたなら、それはすごい名盤・名曲になるだろうな。本気出したにこいちは無敵だって僕は知ってるから。彼らが書いた風輪さんのバラードにBINGOとしては本当に助けられたんだから。僕にあんなすごいバラードは、絶対書けないから」
17. 魂こがして
作詞・作曲 成瀬英樹、石崎光
合同会社BINGO、2025年の最大のニュースは、名プロデューサー石崎光が仲間に加わったことである。成瀬は言う。「ウチは所属とか契約とかいう概念じゃないんだ。たまり場みたいなもんだね。そこでなんか仕事がうまくいったら、『ジャージー・ボーイズ』よろしく、一回握手して終わりさ。それがBINGOの契約だ(笑)。光さんはそんな自由な僕たちの風をすごくおもしろがってくれた。嬉しかったよ。4年間ひっそり作り上げてきた文化を、大好きな音楽家に賛同いただけるなんてさ」石崎はいきなり『日向坂46/「お願いバッハ!」』の採用を勝ち得、作曲・編曲者としてヒットチャートのトップに立った。「光さんと出会えて本当に僕たちはラッキーだった。白井の快進撃も光さんの存在の刺激なしでは考えられなかっただろうし。それに、光さんの質と量には本当に驚かされ続けている。僕自身も“プロフェッショナル”ということについて、今一度学ばせてもらってる。すごい人だよ」『魂こがして』は成瀬が歌うが、「女性アイドルグループのコンペにも僕が歌って出したりもするんだよ」と言っていたことがあるので、そうなのかもしれない。ロックはロックなのだが、洋楽と邦楽が見事に混ざり合った、この二人にしか出せないサウンドが実に新鮮である。
おはようございます!
先週末は『ポール・サイモン全詞集』と、その副読本『ポール・サイモン全詞集を読む』を読み進めながら(副読本だけで4950円とかするんだけどねw)、サイモン&ガーファンクルの解散までの5枚のアルバムを徹底的に検証していました。気がついたら、ほとんど睡眠時間がなくなってた。
ほら、楽しいゲームに夢中になってたら「え、もう朝!?」ってなる、あの感じ。どっぷりハマってました。ああ、おもしろかった。
「なんでここで唐突にジョー・ディマジオが出てくるんだよ?」とか思ってたんだけど、「ああ、そういう意図だったのか!」と腑に落ちたりね。何度も「そうだったのかー!」って叫んじゃった。S&G編が終わったので、ここからは長い長いソロ時代をじっくり追いかけます。
研究したいこと、考えたいことが山ほどあるし、作りたい歌や形にしたい物語も頭の中にある。この冬もじっくり、腰を据えて仕事しようと思っています。
「仕事」っていうのは、目先のことだけじゃない。じっくり一生かけて、自分の中に“意味のあるもの”を貯めていくこと。僕にとっては、それが本当に大事な仕事なんだと思う。そのためには、自分の中の可能性をしっかり掘り返さなきゃいけない。ようやく、そんなことがわかってきた気がします。