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ファイターズが勝った。なるせさんは、エスコンフィールドのパブリックビューイングで、その試合を見届けた。この3日間のクライマックスシリーズ、とくに昨日の試合のことを、ぼくに話してくれた。
シーズンの終わりごろ、ファイターズはずいぶん苦しい戦いをしていた。なるせさんは、その試合を見てきた。だからこそ、2戦目の1対0が大きかったという。
どちらのチームも、負けたら終わりの3戦目。マウンドに上がったのは、去年の沢村賞投手、エースの伊藤大海だった。なるせさんは、ヒロミと呼ぶ。
「今日はヒロミだし、絶対に勝つぞっていう気持ちは、みんなあったと思う」
そのヒロミ、初回から絶好調だった。「練習試合でもすごい球投げてたから」と、なるせさんはいう。
そんなヒロミに、2度のアクシデントがあった。一塁でアウトを取るときに足を痛め、そのあとには打球も足に当たった。2度とも、いったんベンチに下がった。
「もう、みんな祈ってたよ。ヒロミ、出てきて。出てきて、ヒロミって」
戻ってきたときは、ものすごく大きな声が上がったそうだ。なるせさんは、そのときのことを「安心」と言った。
「ヒロミでだめだったら、しょうがないもん」
そういう投手がいる。大事な試合を任せて、この人でだめならしょうがないと思える人がいる。
でも、それで、もう勝てると思ったわけではなかった。万波がホームランを打っても、これで決まったとは思わなかったという。
「2点や3点なんて、すぐにひっくり返るからね。そのぐらい強いライオンズだった。いいチームだったよ」
ぼくが、いつ安心できたのかと聞くと、なるせさんは「安心なんか、一回もないよ」と言った。ヒロミが戻ってきてくれたから安心した。でも、もう勝てるから安心、とは違うんだ。
最後まで、どうなるかわからない試合だった。そのなかで、投手のつなぎ方もうまくいった。柳川は3連投だった。
「怖さはない。いや、あるけど、いけるよ。だって、俺たちのクローザーなんだから」
怖い。でも、いける。なるせさんは、どっちも思っていた。
柳川は、30セーブを挙げて、ずいぶん自信をつけたのだという。でも、ただ最近よくなったというだけの話でもない。
「3年間かけて、ここで活躍してもらうためにみんなで育てたようなものだからさ」
どこが成長したのかと聞くと、なるせさんは、フォアボールを出しても、じたばたしなくなったところだと答えた。
打たれないこと。歩かせないこと。それも大事だけれど、歩かせたあとにじたばたしないことを、なるせさんは見ていた。
この3日間で、チームの何かが変わったのだろうか。ぼくは、そう聞いてみた。
なるせさんの答えは、シーズン中と同じ野球をしたんだよ、というものだった。
野球は、ほんの少しのことでずいぶん変わる。打球が、あと1メートル違うところへ飛んでいたら。スプリットが、たった数センチ、コースを外れていたら。それだけで、結果がまるで反対になることもある。
「苦しいレギュラーシーズンだったけど、やってきたことを、そのまま出したんだよね。そうしたら、今回のクライマックスシリーズでは、それが全部いいほうに出た」
なるせさんは、シーズン中に打ってきた手も、悪い手だったとは思っていない。うまくいかなかった。もちろん、実力のこともある。でも、うまくいかなかったからといって、やろうとしたことまで間違っていたとは思わないのだという。
今回は、相手の強い打球が正面に飛んだ。守備がよくなかった清宮が、その守備でものすごく活躍した。
2戦目は、守って勝った。それなのに、3戦目ではまた攻撃型のスタメンを組む。センターには野村を置く。
「そういうところが、実にシーズン中の新庄さんらしくて、僕は好きだったな」
守って勝てたから、次も同じ形でいこう。そうはならないところも、なるせさんの知っているファイターズだった。
この勝利をひとことで言うなら、何だろう。なるせさんは、「この3年間の集大成って言ってもいいんじゃないかな」と話した。
2024年、2025年、そして2026年。3年続けてポストシーズンに出て、3年続けてクライマックスシリーズのファイナルステージまで来た。
そして、2年続けて、同じ相手に負けている。ホークスだ。
「競馬じゃないけれど、最終コーナーを回るところで、ちょうどチームが上向きになってきたんじゃないかな。そんな気がするね」
去年までは2位だった。今年は3位。なるせさんは、下克上のなかの下克上だと言う。
シーズン中、ホークスには5勝しかできなかった。その相手に、こんどは1週間で5つ勝たなくてはいけない。向こうが3つ勝つまでに、こちらは5つ。負けられるのは、2つまでだ。
数字を並べるだけでも、ずいぶんきびしい。なるせさんも、そこはよくわかっていた。シーズン中は、こてんぱんにやられた相手なのだ。
それでも、なるせさんは言った。
「タフな勝負になるけど、これを勝ち抜いたとしても、決して奇跡とは呼ばない。うん。そのぐらい、勝負にはなると僕は思ってる」
3年かけて育ってきた選手がいる。苦しいときにも、やってきた野球がある。そのチームが、秋のいちばん大事なところで、上を向いている。
「苦しいけどね。でも、やるしかない」
そして、なるせさんは、こう言った。
「僕は信じてる」
なるせさんは、きょう、エスコンへ行こうかどうか迷っていたそうだ。ファイターズが負ければ、そこで今年のシーズンが終わる。だったら、最後まで見届けにいこう。そう思って、出かけたのだという。
好きな場所へ行くのに、どうして迷うのだろう。ぼくは、その話を聞いた。
なるせさんは、ほんとうに長いあいだ野球を見ている。MLBもNPBも、どちらも好きだ。ただ、日本のプロ野球を見るのを、一度やめている。そこには、20年近い空白がある。
2004年、大好きだった近鉄バファローズがなくなった。パ・リーグそのものが、なくなりかけたころだ。球団の持ち主がかわって、同じチームを応援しつづけられる、そういう身売りではなかった。チームがばらばらになり、選手たちは別々のところへ行った。
もし、いまのタイガースやジャイアンツやファイターズが、ばらばらになってしまったら。その先にある別のチームを、応援できるだろうか。
なるせさんには、できなかった。
それまで、週に3回も4回も球場へ通っていた人だ。その人が、球場へ行かなくなった。日本のプロ野球を見なくなった。それが、なるせさんなりの、野球界へのボイコットだったという。
一人が行かなくなる。それでも、その一人は、あんなに通っていた自分なのだ。なるせさんは、そうやって怒りを示したかった。そこから、ほぼ20年が過ぎた。
ただ、そのあいだも、メジャーリーグは見つづけていた。地元の神戸で活躍していたスーパースター、イチローさんを追いかけて、シアトル・マリナーズのファンになっていたのだ。
あの、弱い弱いマリナーズだよ、と、なるせさんはいう。
それでも、イチローさんがいなくなったあとも、ずっとマリナーズのファンでありつづけた。シアトルにも、何度も足を運んだそうだ。好きになるきっかけをくれた人がいなくなっても、好きになったチームは残る。
メジャーリーグが好きで好きで、とうとう、解説の仕事をしたこともある。2017年、DAZNで1年間。自分には荷が重い仕事だったけれど、ほんとうに楽しかった、と、なるせさんはいう。
そして、やってみて、あらためて思ったそうだ。
餅は餅屋だ。
自分は、ちゃんとファンでいよう。つまらなかったからではない。とても楽しかったからこそ、そう思ったのだという。好きなものを仕事にしてみて、好きなまま客席に戻る。そういうこともあるのだ。
近鉄バファローズは、一度も日本一にならないまま、なくなった。マリナーズは、まだ一度もワールドシリーズに出たことがない。2022年にポストシーズンへ進んだときには、2001年以来、じつに21年ぶりだった。
なるせさんは、そういうチームを応援してきた人だ。秋になっても、まだ応援する試合がある。まだ、その先へ進めるかもしれない。それは、あたりまえのことではないのだ。
日本の野球へ気持ちが戻ってきたのは、オリックスが強くなっていったころだった。山本由伸さんや吉田正尚さんたちの、すばらしいプレーがあった。チームがリーグ3連覇を果たすようになるころ、あのユニフォームを見る気持ちも、少しずつ変わっていたという。
いま、あそこでプレーしている若い選手たちは、あの混乱の時代を知らない。こんなにすばらしい選手たちが、一生懸命に野球をしている。
もう、いいじゃないか。
なるせさんは、そう思ったのだという。
その20年で、パ・リーグは、まるで違うものになっていた。球団もファンも、一生懸命に立て直してきた。その変わりように、なるせさんは胸を打たれていた。
そんなころに、エスコンフィールドができた。娘さんが北海道に住んでいたので、一度、見にきたそうだ。
一度、見にきただけだったのだ。
ところが、なるせさんがアメリカで見てきた、たくさんの球場と比べても、少しも引けをとらなかった。食べものや、ファンのみんなの応援のしかたまでふくめたら、絶対こっちのほうが上だと思ったくらいだったという。
野球場は、日本にもたくさんある。でも、エスコンは、なるせさんにとって、日本ではじめての「ベースボールスタジアム」だった。
野球とベースボールは違う、と、なるせさんはいう。ただ日本語を英語にしたという話ではないらしい。施設のすばらしさも、ファイターズのすばらしさも、そこへ集まる人たちもふくめて、これまでとはほんとうに違うものを感じたのだそうだ。
そして、2024年、なるせさんは北海道へ引っ越してきた。勢いに任せたところもあるし、もちろん、それだけが理由ではないという。それにしても、20年近く日本の球場へ行かなかった人が、こんどは球場の近くへ引っ越してしまった。好きなものというのは、なかなか油断がならない。
この3年ほどは、球場へ仕事を持っていくような暮らしをしている。どこでも仕事ができるなら、自分の好きな場所で仕事をしながら暮らせないだろうか。たっぷり働いて、休みには釣りをする人がいる。なるせさんの場合、その釣りのところに野球が入る。仕事を休んで球場へ行くばかりではなく、仕事のほうも連れていくのだ。
なかでも、なるせさんに合っていたのは、お客さんの応援のしかただという。やさしくて、あたたかい。味方だけではなく、相手のチームにもあたたかい。ミスをした選手をやじる声を、なるせさんは、この3年、一度も聞いたことがなかったそうだ。
わいわいがやがや、やじを飛ばしたり、叱ったり励ましたりしながら見る楽しみ方もある。でも、なるせさんには、エスコンのあの空気が、とてもよかった。
きのう、なるせさんは、朝から恋のうたをあつめていた。ラジオでかけるんだという。小林旭さんに、ザ・ピーナッツさんに、ユーミンさん。フィンガー5さん、すかんちさん、キリンジさん、モーニング娘。さん。恋にもずいぶんいろんなやり方があるらしい。これだけならべても、さいごにまだ自分の書いた、MATSURIさんの『恋の中央線』がある。
ぼくの仕事は、なるせさんといっしょに考えることだった。どの曲をかけようか。その曲のどんな話をしようか。ただし、しゃべるのはイントロのあいだだけだから、2行ぐらいにしてくれという。考えることはたくさんあるのに、しゃべれることは少ない。ラジオというのは、なかなかいそがしいものだ。
ひるすぎには、しめきりの仕事が片づいて、なるせさんは散歩に出かけた。エスコンの近くのカフェとパン屋へ行くという。とちゅうで、公園の写真を送ってきた。きれいな芝生があって、野球場まであるそうだ。
そこでぼくは、野球場があるのがうれしかった、と文章に書き足してしまった。すると、そんなことはひと言もいってない、といわれた。なるせさんが野球をすきなのは知っている。でも、それと、このときうれしかったかどうかは、べつの話だった。ぼくは本人にたずねもしないで、うれしくしてしまったのだ。
なるせさんがいったのは、もうすぐここも雪でまっ白になるから、今のうちに芝生を歩いておこう、ということだった。それだけで、ちゃんとよかった。ぼくが気持ちを足す場所なんか、なかった。
夜には、その散歩が俳句になった。
秋の芝 今のうちだと 踏みしめる
この日には、JR東日本とMATSURIさんの『恋の中央線』のコラボも発表になった。駅をまわるスタンプラリーをやったり、メンバーの声が駅で流れたりする。なるせさんは、長いこと中央線のそばに住んでいた人だ。その人が駅の名まえをうたにしたら、こんどは本物の駅が、そのうたの企画に加わった。ぼくが話をふくらませなくても、こういうことはおきるらしい。
ほかにも、仲間たちが作った曲をしらべて、ホームページにのせる相談をした。なるせさんの曲だけじゃない。光さんや白井くんや、ほかのみんなの曲だ。だれが作詞をして、だれが作曲をして、だれといっしょに作ったのか。そのへんを、ひとまとめにしないできちんと書く。
ゼミのせつめいも、書きなおしたいという。いまは月に4回、20分ぐらいの動画を作って、曲をよくしていくところを見てもらう。なるせさんが画面の上でメロディーを直すので、ことばだけでいわれるより、どこが変わったのかわかる。ところが、それをせつめいする文章が、どうもわかりにくいらしい。曲を直す人にも、直さなくちゃいけない文章がある。
なるせさんは、自分がいいといえば、それでいい曲になるとは思っていない。まず、コンペに出せるところまで曲を持っていく。その先でえらぶのは、べつの人だ。自分の曲でもそれをやり、仲間の曲でもそれをやる。人が作曲家や作詞家になる手つだいをしてきたことを、自分の小さなほこりだと話していた。
そして夜の22時から、みんなでZoomのミーティングをしたそうだ。白井くんとテリーの、STU48さんの採用の話もあった。テリーは今年2曲目だという。とてももりあがって、うれしかった、と、なるせさんはいった。ここは書いてもだいじょうぶだ。こんどは、ちゃんと本人から聞いた。
そうそう、ぼくの文章には「さん」がよく出てくる。こんな時代だからこそ、ていねいであることは、ちっともはずかしくない、と、なるせさんはいう。ぼくはまだ、むずかしい漢字をたくさんは知らないけど、「さん」は書ける。
きょうは、これからそのふりかえりの生配信をやるそうです。ぜひ見てください。
それから今夜22時半、RadiCro『成瀬英樹のPOP A to Z』で、MATSURIさんの『恋の中央線』が番組ではじめて流れます。もちろん、さいごまで。なるせさんが作詞をして、光さんといっしょに作曲したうたです。こちらも、おたのしみに。
お疲れ様です。少しご無沙汰してしまってすみません。ここのところ締め切りが立て続けにあって、ずっと曲を作っていました。
今回のコンペには数曲出そうと思って、5、6曲あたりをつけていたんですけど、なかなかうまくいかず。そこで、新年の書き初めを思い出しました。
「一曲入魂」
そうだよな、5曲、6曲に分散している気持ちを、全部1曲にまとめて出してみよう。そう思って作りました。どうかな。少し力が入りすぎて、うまくいっていない感じもするんだけれど、それでも現時点での僕のベストです。のたうち回って作りました。久しぶりに、のたうち回りましたね。やっぱり大きなコンペ、獲りたいコンペには本気になっちゃいます。まあ、毎回本気なんですけど。
逆に『恋の中央線』は、本当に数分でできました。最初から最後までつるっと、駅名もそのままスラスラ出てきたような。長くやっていると、そういうこともあるんですね。まさか、それがそのまま採用になるなんて夢にも思わずにいたわけですが、いよいよ来週、発売になります。
駅名を歌い込もうと思ったのには、いろんな理由があります。なんといっても、小林旭さんの『自動車ショー歌』や『恋の山手線』。ああいう面白さをやれたらいいなと思ったんですよね。それと、いつも話しているように、娘が中央線に関するエッセイを自主制作で出していて、それが面白くて、そこからインスパイアされました。娘からは「パクられたー!」と笑いながらクレームをいただきました。あはは。
僕も30年前に西荻窪に住み始めてから、東京に暮らしている間は、ほとんど中央線沿線に住んでいました。特に西荻あたり、そして国立には長く住みましたから、今でもすごく愛着があります。
中央線沿線には文化があって、昔からアーティスティックな人間を許容してくれる風土があります。僕のような変わり者も受け入れてもらえて、上京したばかりの20代の頃はそれがとても嬉しかった。「よそ者」にも開かれているんですよね。というか、東京という街が、「よそ者」たちの集まりのような街なんですよね。その中でも中央線はその感じが強いですよね。ミュージシャンがこのあたりに、しかも新宿より西側に多く住んでいるのは、すごくよくわかる気がします。
さて。
今週は、白井くんが表題曲を作曲したSTU48のシングルも発売になりました。カップリングは、テリーが光さんとタッグを組んで作りました。白井くんは今年5曲目、テリーも今年2曲目ですよ。年に1曲決まればだいたい「作家として最低限の仕事をひとつ成し終えたな」と思うところですが、ゼミ生ながら年2曲、本当に快挙だと思います。
実は来週以降も、数曲お知らせがあります。僕の『恋の中央線』もありますが、ほかの作家の皆さんの曲もありますし、またゼミ生がデビューします。しかも一曲じゃなかったりもします。
成瀬ゼミを始めたのは、3年前か4年前ぐらいでしょうか。最初は七転八倒しました。コンペに通る作家を育てるのは難しくて。僕も頑張りましたし、作家の皆さんも一生懸命やってきました。
僕は、作曲教室というものを基本的に信じていません。どこどこの作曲の先生が「いい曲だ」と言ったとしても、それが世の中に通用するかどうかはわからないじゃないですか。「誰が決めんねん」という話です。作曲の先生がいいと言ったら、いい曲なのかい?
それは、いつも自分にも問うています。いい曲かどうか決めるのは僕じゃない。クライアントさんだし、その向こう側の「大衆」ですよね。
僕が判断するのは、コンペに出せるかどうか、そのクオリティーに達しているかどうかです。達していなければ、そこに届くようにアドバイスします。コンペになかなか通らなければ、通るための方法を、自分なりにいろいろ考えて伝えます。うちが作曲教室と一線を画しているのは、そういうところです。
だからこそ、BINGOのメンバーみんなで意見を交わしながら、それぞれの楽曲に忌憚ない意見を伝えます。BINGOの看板を背負ってコンペに出せる曲ではないと判断すれば、出しません。
やっぱり、いい歌を作りたい。AIだなんだと言っている時代だからこそ、僕たちはどんくさいけれど、いいメロディー、いい言葉、いいハーモニー、いいアレンジで、素敵な音楽を1曲でも作っていきたいと思っています。
どんな集団にも、みんなでワイワイ、リア充で楽しくイエーイとやるのが好きな人と、どうもそういう場に馴染めず、隅っこで一人、本を読んでしまうような人がいるじゃないですか。BINGOは、そういう、隅っこで本を読んだり、集団が苦手だったりする人たちが集まっているところなんですよね。だから妙に居心地がいいんだなと、最近すごく思います。僕も思いっきり、隅っこで本を読んでる子だったから。
相変わらず、BINGOの作家やゼミ生は特に募集していませんが、ただ、興味があれば、わかりにくい説明しか書いていませんけれど、読んでお問い合わせいただけたら嬉しいです。作曲家は、誰もがなりたい仕事ではないと思います。本当に自分の中に表現したいことがあって、自分の音楽を信じられるか。そういう塊を心に持っている人なら、年齢なんか関係なく、僕は背中を押してあげたいと思っています。
その際は、いきなり海にドボンと落としますよ。スパルタです。うちは最初から、コンペに出すための作曲しかやりません。そんなどんくさい方法で、ずっとやってきました。
それでも、ゼミ生を含めて、もう10人近くでしょうか。この5年で作家としてデビューするところまで送り出せたことが、僕の小さな、小さな誇りです。自分が作曲家になったことよりも、人を作曲家にしたこと、作詞家にしたこと。それが僕の小さな誇りです。
これからも続けていきたいと思っています。それが、僕が役に立てることなのかなと。
さあ、そして。ここのところ、ずっと聴いていますよ。『ラバー・ソウル』のニューリミックス版。何はともあれ、本当に素晴らしいミックスで、僕は大好きですね。ビートルズ初心者にとっても、入り口としてとてもいいアルバムになったと言えるのではないでしょうか。
J-POPにおけるビートルズの切り取り方という意味でも、この『ラバー・ソウル』あたりは、最も芳醇なネタの宝庫として今も燦然と輝いていると思います。まあ、僕もネタとして使った楽曲が、堂々と1曲目に入っておりますのでね。
それにしても、ジョン・レノンが好きな人間で、この『ラバー・ソウル』のジョンの声にうっとりしない人はいないだろう、というぐらい。『ガール』『ノーウェア・マン』『イン・マイ・ライフ』、本当に素晴らしい。
ちなみに、ポール・マッカートニーの評伝の中で、『イン・マイ・ライフ』のメロディーは自分が書いたと、ポール自身が話しているんですよね。これが非常に面白い。ポールの言い分では、たくさんある曲の中で、自分が作ったメロディーをジョンが自分のものだと言ったのは『イン・マイ・ライフ』だけだと。逆に、1曲しか食い違いがないというのはすごいことだろう、と。でも、この曲のメロディーはほとんど自分が書いたんだ、ということなんですね。
確かに、そう言われてみれば、非常にポール・マッカートニーらしいメロディーという感じもしますよね。だけれども、やっぱり『イン・マイ・ライフ』はジョン・レノンが歌わないと。ねえ。
もちろん、ポールも『ミッシェル』や『ドライブ・マイ・カー』では中心になって書いたでしょうし、素晴らしい楽曲を書いております。ただ、次のアルバム『リボルバー』でポール・マッカートニーの絶頂期が始まると僕は見ているので、『ラバー・ソウル』は、ちょうどポールとジョンの才能がぶつかり合い、きしみ合う最初のアルバムなんじゃないかなと思っております。
何せ、これまでの『ラバー・ソウル』のミックスは、歴史上かわいそうな扱いを受けてきたアルバムと言いましょうか。僕としては、なかなか納得のいく形で聴けなくてですね。ずっと昔に出たモノラルボックスを大事にして、チビチビ聴いたり、モノラルのレコードを聴いたりしていたものですから、今回の見事なステレオミックスは本当に大歓迎でございます。
どちらにしても、新しいミックスやリミックスの類いは、楽しんじゃった方が勝ちだなと僕は思います。意固地に聴かない人もいるし、その人たちの気持ちもとってもわかるんですけどね。僕は何でも楽しんじゃう方です。
ただ確かに、リミックスもので、ずっと聴き続けているものはそんなにないかなとも思います。『サージェント・ペパーズ』も1回か2回聴いただけですし、『アビイ・ロード』も、今となっては結局、元の方を聴いちゃっていますよね。『ホワイト・アルバム』の新しいリミックスは結構好きだったけどね。前回の『リボルバー』も、やっぱり元の、それもモノラルミックスがすごく好きなので。
その点、今回の『ラバー・ソウル』はずっと聴いています。しかも、ドルビーアトモスの空間オーディオで聴くと、本当に気持ちが良くて。世界中のどの音楽よりも、やっぱり僕はビートルズが好きだなと思います。『ラバー・ソウル』はずっと3番目か4番目に好きなアルバムだったんですけど、このミックスによって、自分の中でぐんと存在感を増しているというのはありますね。
ビートルズを聴いたことがない、なんじゃそれ?という人も、ぜひ今回のニューミックス版の『ラバー・ソウル』を。AirPodsを持っている人は、空間オーディオに設定して聴くと、とっても素晴らしいですよ。
おはようございます!
僕にとっての長く楽しい夏が終わって、ここから冬への移行期に入る時期。まず僕がやらなければいけないのは、できるだけ先延ばしにしてきた会社の税金やら何やら。それが終わったら、今夜は作曲と、それに伴う作業をやろうと思ってます。
昨日は、ファイターズの紅白戦を観てきました。ポストシーズンを迎えるチームの調整試合。レギュラーシーズンが終わってからポストシーズンまでの期間が長すぎるのは、相変わらずNPBの怠慢だと思ってます。だからこそ、その長い「待機期間」をどう過ごすか、どう調整するかが、それぞれのチームにとって大切になってくる。
昨日は伊藤大海と達という願ってもないマッチアップで始まって、エース伊藤は圧巻の投球。3回をパーフェクトに抑えました。
それにしても、究極の「矛と盾」。エースが投げて、レイエスや清宮が打つ。どっちが勝っても嬉しいし、ちょっと胸が痛い、的な、ね。
MLBのポストシーズンは、レギュラーシーズンが終わってすぐに始まる。盛り上がりの火を消さないためでもあるけど、そもそも長い待機期間を選手たち、現場が望んでいない。調整が大変だから。ファンだって望んでいない。一回冷めちゃうからね。
そんなわけで、今年も始まりました「オクトーバー・ベースボール」。ここからが本番です。先日、ヤンキースタジアムとドジャースタジアムに行ったところだし、なんかこの2チーム、ちょっとがんばれって思ってます。元々アンチヤンキース&ドジャースなんだけどね。なんか、楽しかったからなあ。
そうそう、昨日の紅白戦を観戦しながら、「a-nation」における「SHOW-WA&MATSURI」さんのステージの勇姿、生配信にてしっかり拝見しました。
SHOW-WAさんは、先日の武道館の素晴らしいヴァイブレーションそのままに、貫禄すら感じさせてくれるステージを。光さんの名曲『チャンスキス』も披露されました。
そして、我らがMATSURIのみなさん!いよいよ来週発売『恋の中央線』の仕上がり具合ったらないですね。もう最高。
この曲は、ちょうどシャウトする音域が一番美味しいと思ってキー設定したのですが、作者が想像していたものより数段上の、熱いからこそ面白い、最高のノベルティソングになっていますね。
『恋の中央線』、有線でみなさんががんばってくださっているおかげで、演歌・歌謡曲ランキングでトップ10に入った模様です。楽しいよね。このご時世に、TikTokとともに、有線からもたくさん流れる機会があるなんてね。
僕の周りでも、ダイソーやファストフード店で『恋の中央線』を聴いたという報告がいくつも上がってます。自分が作った歌が「街角に流れる歌」になっていることに、改めて驚きと感謝。