blog

CALENDAR
CATEGORY
LIFE
成瀬英樹
成瀬英樹
9月16日 10:05

今日は私にとって特別な日だ。この部屋で過ごす最後の日だからである。
 

もともとは娘のために借りた部屋だった。娘にとって、ここは北海道で暮らす二つ目の部屋だった。独立心の強い娘が北海道の大学を選んだことに、私はさほど驚かなかった。若いうちに親元から離れて暮らしたいという彼女の気持ちが、私には痛いほどわかるのだ。
 

私が最初に家を出たのは、17歳のときだった。
 

ここ最近、『遠い山なみの光』のことばかり考えている。カズオ・イシグロの第一作。洗練された中期以降の作品からイシグロに入り、遡ってこの作品を読んだ私は、一読してその魅力の核心にたどり着くことができなかった。二度ほど読み返し、「なるほど」と本を閉じた。
 

先日公開された映画も、同じような印象だった。初見では可もなく不可もなく、原作をやや拡大解釈したもの――その程度の感想にとどまった。それでも妙に心にざらつきのようなものが残り、気がつけば再び劇場に足を運んでいた。この映画は全体像を理解したうえで改めて鑑賞するのにふさわしく、むしろ結末を知っていた方が深く味わえる。再見してようやく、素直に感動することができた。素晴らしい映画である。
 

イシグロ作品がオーディブルの聴き放題に加わったのは朗報だった。これまでは一作ごとに購入するしかなかったからだ。『遠い山なみの光』のオーディブル版はとりわけ素晴らしかった。移動中は耳で聴き、夜はKindle端末で活字を追い、三度目の通読を終えた。感想は、まさに圧巻の一言である。カズオ・イシグロのデビュー作。荒削りながら若さに満ちた鋭い発想があふれ、意欲的な試みが随所に光っていた。
 

それでも、初めてイシグロを読む方に薦めるのは、やはり『わたしを離さないで』である。そして、もし私が一作だけ選ぶとすれば『わたしたちが孤児だったころ』だろう。この難解な小説を読み切ったという充足感も含めて、魔法のような感動を与えてくれた。
 

結局のところ、私にとってイシグロの作品というのはそういうものだ。心がざらつく。しかしそれは決して悪い感情ではない。小石をポケットに忍ばせたまま歩くように、どうしても気になってしまう。だからこそ、なぜかもう一度読み返したくなる。また出会い直したくなる。
 

人生とはそうしたものなのだろうか。そしてその味わいを知る年齢に、私もなったということか。
 

無理なく楽しみながらできること
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン 成瀬英樹ゼミ マンスリープラン
成瀬英樹
成瀬英樹
9月14日 9:36

おはようございます!
 

SNSでマネージャー募集を始めました。札幌在住なら嬉しいし、野球好きならなおさら嬉しい。動画編集やSNSを積極的に活用してプロモーションできる方──そんなイメージを持っています。もちろん、すべての条件を満たす方はそうそういないでしょう。それでも「運命をともにしてくれるたった一人のマネージャー」を、じっくり探していきたいと思います。
 

音楽業界に詳しくなくても構いません。むしろ、他の業種での経験を活かしてくださる方も素敵だと思っています。
 

さて、今夜からいよいよ引っ越しの準備に取りかかります。今週半ばには「親子の思い出が詰まった部屋」を後にし、新しい住まいへ。引っ越し先は札幌の隣町・北広島市の閑静な住宅街です。周辺を少し歩いてみたのですが、大きな公園や新しい図書館があり、そして何より、エスコンフィールドまで徒歩10分。玄関から球場が見えるほどの距離なのです。
 

「いつか野球場のそばで暮らし、音楽を作って生きていきたい」──突き詰めれば、それが僕の人生の夢でした。そう気づいたとき、肩の力が抜けて楽になったんです。だって、やろうと思えばできることなんだから。じゃあやってみよう。やってみた先にどう転ぶかなんて、やってみなければ分からないんですから。
 

かつては「ボストンやシアトルの球場の近くに住みたい」と思っていました。でもエスコンフィールドができて来てみたら、「ああ、ここにあったじゃないか」と。そう、答えは北海道にあったんですね。
 

制作中の楽曲も一段落して、なんとか引っ越し作業に集中できそうです。B-1グランプリの日程を変更していただいたのは本当に心苦しいのですが、落ち着いたらまたバリバリ働きます。
 

そんな中、昨日も野球観戦へ。今季72試合目の現地観戦(オープン戦・東京ドーム遠征含む)。優勝を懸けた崖っぷちの試合が続く中、延長戦の末に清宮幸太郎のサヨナラヒットで勝利! 苦しい戦いが続きますが、積み上げてきたチャンスをぜひものにしてほしい。「勝つ」ことで得られる自信は、何よりも価値があると思うのです。それは僕たちの仕事にも通じますよね。
 

一方で、僕たちは「やせたいわー」「やせなきゃね」と言いながら、一日三食以上食べてしまう。つまり本当は「やせたくない」んです。だって本当にやせなければならない状況──たとえばロバート・デ・ニーロがボクサー役をやるような──に追い込まれたら、誰だって死に物狂いで食事制限と運動をしますから。
 

「作曲家になりたいわー」「プロになりたいね」と言いながら過ごす毎日も同じです。本気で死に物狂いで研究や創作に打ち込めていますか? 才能あるプロたちは24時間音楽に捧げ、日々格闘しています。そんな中で「作曲家になりたいわ勢」がとっている行動は、本当に正しいのか──そう考えてしまうのです。
 

もちろん、それぞれの人生ですから、無理なく楽しんでほしいとも思います。ただし、「無理なく楽しみながらプロになって、バリバリ活躍する」ことはできませんよね。

プロ野球選手に「無理なく楽しみながら」成り上がった人が一人もいないのと同じように。

この続きを読むには BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン 成瀬英樹ゼミ マンスリープラン への登録が必要です。

ソングライティングの民主化
成瀬英樹
成瀬英樹
9月13日 9:28

AIは、僕たちから「作る楽しみ」を奪うものだ——そう考えるのは、大きな偏見であり、誤解であることに気づきました。
これからは、せっせと楽器を練習したり、音楽理論を一から積み上げたりしなくても、誰もが音楽を生み出すことができる時代です。
 

音楽家であるかどうか、学んできたかどうかに関わらず、「曲を作る」という領域においては、もはやレベルの差がなくなってしまいました。すでにその段階に来ているのです。
 

これから問われるのは「センス」。それこそがすべてです。なんと素晴らしいことではないでしょうか。
 

「作曲家の仕事が奪われるのではないか?」——そんな声も耳にします。けれども、大切なのはそこではありません。仮にそれで奪われてしまう仕事だとしたら、仕方のないことだと思います。この世界は、もともと競争と淘汰の連続なのですから。
 

AIは「ソングライティング」を民主化する、最高のツールなんだと僕は捉えています。特に初心者のみなさんは、どんどんそこから貪欲に学んで行ってほしいです。

今日もがんばろう
成瀬英樹
成瀬英樹
9月12日 7:15

おはようございます。
 

気がつけば、引っ越しの日がもう目の前に迫ってきました。わお。

この小さな部屋には、僕自身一年半ほど暮らしました。その前に娘が同じくらいの期間住んでいたので、通算すると三年か三年半くらいになります。
 

娘がこの部屋に最初に引っ越してきた日のことは、今でもよく覚えています。急きょ僕も手伝うことになって、娘の大学の友人たちも来てくれて。みんなでワイワイ家具を組み立てたのは、まるで昨日のことのようです。
 

まさかその後、自分がここに住むことになるなんて。ほんとに人生はわからないものですね。
 

そして来週には、もう少し広い部屋へ引っ越します。その前に、いただいていた作曲の仕事にちょうどメドをつけることができました。これで気持ちよく引っ越しできます。
 

ファイターズが再び歴史的な追い上げを見せていて、目が離せません。そしてもちろん、シアトル・マリナーズの動向も追っています。野球的に言えば、この秋はますます面白くなりそうです。
 

昨夜もナイターから帰ってきて、ラジオ特集の準備を遅くまでやっていました。今日はこれからラジオを収録して、レッスンをして、役所の用事も片付ける予定です。今日もきっと、あっという間に過ぎていくでしょう。
 

お互い、がんばっていきましょう!

こっそり生配信!
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン 成瀬英樹ゼミ マンスリープラン 旧プロ養成コース
成瀬英樹
成瀬英樹
9月11日 12:44

この投稿を読むには BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン 成瀬英樹ゼミ マンスリープラン 旧プロ養成コース への登録が必要です。