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西荻窪 阿瀬宇然 著「中央線・望途(その1)」より
成瀬英樹
成瀬英樹
6月2日 21:44

西荻窪
 

阿瀬宇然 著「中央線・望途(その1)」より


 また一駅飛ばしてしまいました。吉祥寺には何でもあります。何でもありすぎて、それぞれに持ってるイメージが確立されているのではないかなと思って、書く必要がないと判断しました。それでも吉祥寺はいいところです。立川から中野までの間の新宿といっても過言ではない。だからこそ本当に書くことがない。

 

 それに比べて西荻は、語るべきことが沢山ある。私にとってはという話だけど。

 

 西荻といえば、父と母が昔住んでいた場所です。父と母のバンドは神戸でデビューし、あるタイミングで上京し、居住地に選ばれたのが西荻だった。当時の事務所のプロデューサーが上井草に住んでいたらしい。ついこの前、母の実家から母が持って帰ってきた荷物に、当時の不動産屋のチラシが入っていた。両親が住んでいたマンションは今でもあって、実際見たことがあるけど、貧乏人の私からしたらかなりすごいマンションだった。私が初めて自費で一人暮らしを決行した家より二段くらいレベルが高い物件だった。オートロックがあって、外から見ただけでも鉄筋とわかるそのマンションは、何十年も経った今も全く古びていなかった。メジャーでデビューをしていたのでその時はもちろん、音楽だけで食べていて、音楽をやって稼いだお金だけでその家に住めていたのだと思うと、それは完全に凄いことだと思う。

 

 両親がやっていたバンドは、桜井幸子という今は海外かなんかでヨガ?の先生?とかをやっているとかいう、昔人気だった女優が主演をやっているドラマの主題歌を務めたことがあった。この話を詳しく聞いたのはつい三、四年前なのだが、私は高校一年の時に桜井幸子と真田広之が主演のドラマ『高校教師』に深淵と目が合うくらいどハマりしていた。高校教師は、真田広之演じる女子校の生物教師と桜井幸子演じる家庭環境の最悪な女子生徒との恋愛を描いたドラマであり、主題歌は森田童子の『僕たちの失敗』である。「はーるのーこもれびのーなかでー」というフレーズだけでも聴いたことがある人もいるだろう。言うように、別にこのドラマは特別面白いと言うのではない。観なくても想像に難くなく、色々な障壁に苛まれながら二人は結ばれて幕を閉じる。まあ観てみてください。本当に別にそんなに面白くはないです。

 

 じゃあなにかと言うと、このドラマは、桜井幸子がかわいすぎるのである。終始一貫して桜井幸子演じる二宮繭は寡黙であるが、第一話で真田広之演じる「先生」に一目惚れして、先生の前では繭は大人しい女生徒ながらも完全に女なのである。このドラマにセリフはかなり少なく、音も粗い。繭を映すシーンの多くで、繭は多くを話さずただ黙って物を考えている風の顔をしている。唇を一文字に結んで眉毛をキリッと顰めて黙っている繭の役が、桜井幸子にはピッタリだと思った。白いカーディガン、膝丈のスカート、しっかり結んだ一つの黒髪、細部の全てが桜井幸子そのものに馴染んでいた。話し声も彼女は美しく、その美しさゆえにすぐに溶けてなくなってしまいそうな感じを漂わせているから、繭の貴重な話し声と融和していた。とにかく、桜井幸子がとにかく綺麗で、あのドラマを観た人が桜井幸子に恋をしないわけがない。私もその例に漏れず、十六歳の秋頃彼女に完全に恋に落ちた。毎日毎日繰り返し高校教師を観て、二宮繭の裏側の桜井幸子を想う日々だった。

 

 話を戻すが、両親のバンドは桜井幸子が主演のドラマの主題歌をやっていた。二人が言うには事務所が同じなだけで抜擢された謂わゆるバーターだったらしいが、それは凄いことだし実際曲もいい。だがそのドラマは「大コケ」したらしい。はたまた裏でやっていたドラマは視聴率を二十パーセント確立していたらしい。じゃあ何にこの話のポイントがあるかと言うと、なんと、西荻にて同棲していた両親のアパートには桜井幸子が定期的に訪れていたらしいと言うことである。桜井幸子はバンドメンバーの中で「さっちん」として存在していたらしくて、意地が悪くて酒癖が悪くて無口で小さい女の子だったそうなのだ。さっちんは特に母と仲が良くて、スターウォーズを一緒に観に行ったこともあるらしい。側から見てもさっちんは母だけには心を開いていた様子らしく、しかしさっちんとバンドメンバーの五人でもよくお酒を飲んだそうである。電車に乗る時にはサングラスとバンドメンバーの四人で囲い隠すようにしていた。先述の通りだが、この話を聞いたのは私が桜井幸子に恋をして二、三年経った頃だった。多分、その頃のテレビを観ていた世代の人なら桜井幸子のことを知らない日本人はいなかったと言っても過言ではないだろう。桜井幸子は一世を風靡した女優だった。高校教師の反響を少し調べればそれは見当がつくことで、とにかく桜井幸子は有名人だったのだ。それが、家にまで出入りする仲であることを母はどうして長い間黙っていたのだろう。私が母だったらブログとかツイッターとかに書いたり、もっと言えばTシャツのうしろとかに書いたりして世の中に言いふらし歩くと思う。

 

 西荻の時代の話になるといつもさっちんの話になって、この間はさっちんが飼っていた犬とよく行っていたという喫茶店を父から教えてもらった。ほんとついこないだなのでまだ行ったことがない。だからみなさんには教えません。多分これを読んでいる誰よりも私はさっちんが好きで、そんなお宝情報を世の中に出したくはないからです。すみません。両親はそのドラマがコケたこと、ドラマの主題歌という大事な局面で発表する曲を、自分たちのやりたいように演奏することができなかったこと、などの挫折が重なって、地元神戸に戻ったそうである。その後、テレビ番組の企画で沖縄に渡り、沖縄で謂わゆる売れないバンドマンの日常を送った。相当苦しかったそうだ。因むところ、私の名前はその頃朝ドラに出演していた竹内結子から取ったそうです。茹だるような暑さの中で、朝の十五分だけは朝ドラの竹内結子に救われていて、その頃の思い出を背負って私という人間が誕生した。誇らしい名前です。

 

 メジャーデビュー曲である、桜井幸子主演ドラマの主題歌、以降にも素晴らしい曲の数々を発表している。贔屓目なしに、かなりかっこいいと思う。一度母に、曲がかっこいいのになんで売れなかったの?と聞いたことがあった。母は、至って真剣な顔で、「フォートリは曲はカッコいいよ。ボーカルの顔がね、悪かったんだろうね」と言っていた。フォートリとはバンド名であり、ボーカルは父である。別にパパかっこよかったけどな、ママもかわいかったけどな、と思った。

全曲考察!!BINGO恒例B1グランプリ!
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
6月2日 9:04

おはようございます!


昨夜は、BINGO恒例のB1グランプリでございました。


そしてこちらも恒例となりました、B1グランプリ振り返り配信。


全曲詳細、成瀬による解説、考察、批評をお届けいたします。大好評のこの企画は期間限定公開になりますので、メンバーの皆さん、ぜひお楽しみください。

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人生は映画だ
成瀬英樹
成瀬英樹
5月27日 18:09

おはようございます!

 

先週の楽しい激務の余韻が、心にも身体にも残ったままの週の始まり。

 

そういえば、お気に入りの映画館にも最近行けていないな。それはいけない。非常にいけない。なぜなら僕は、野球と映画を徹底的に楽しむために札幌に来たわけで、それをサボってはいけないのだ。

 

いやいや、お前はつい先日『サンキュー、チャック』を観てきたと報告したばかりじゃないか、とあなたは仰るかもしれない。たしかにそうだ。でも、あれはシネコンでロードショーを観たのであって。僕がサボってはいけないのは、「シアターキノ」で映画を観ることなのだ。

 

ちょうどいい時間から『ラプソディ・ラプソディ』がかかっていた。利重剛監督とは、同じ店で髪を切っている。それ以外は、いつものように何の情報も仕入れずに観た。

 

面白かった。とても心が温まる映画で、癒された。そんな常套句でしか語れない自分がちょっと辛いが、本当にそうなのだからしょうがない。

 

僕は癒された。

 

その後、何名かのゼミ生のセッションをした。みんな本当に作曲能力が伸びている。伸びているからこそ、もっともっと貪欲になってしまう自分もいる。

 

それぞれの作家らしさを失わずに結果を出せるように、少しずつ結果を出していくやり方と、クリエイティブに一気に表題を狙っちゃえ、というやり方。その2つを同時に進めていくことが、最近はとても大事だと思っている。

 

NMB48の「ショートケーキとショートボブ」、本日音源が解禁されました。みんなぜひ聴いてほしいです。僕とmeeさんと石崎光さんの力作「パブロック歌謡」です。

 

僕の曲は、間奏がかっこいいものが多くて嬉しい。「君メロ」のまささんによるエレピソロも最高なんだけど、今回の光さんのオルガンソロ、そしてそのバッキングでリッケンバッカーのギターをジャッキジャッキにカッティングする音。英国ロック愛好家の皆さんには、たまらないと思いますよ。僕もたまらない。

 

音数じゃなくて、音色とフレーズでアレンジをしていく。光さんは本当に稀有な音楽家であります。

 

この「ショートケーキとショートボブ」の歌詞なんですけど、日本の音楽史上、初めて野球のショート、つまり遊撃手をテーマに歌った歌ではないかと思われます。ガチのショートストップ讃歌。

 

ショートって、一番うまいやつがやるポジションなんですよ。そんな「彼」に夢中になったヒロインは、人生のすべてを「ショート」に捧げるのです! まあ、聴いてみてください。

 

ベースボールソング収集家のMOBY君にも、ぜひお勧めしたいと思っています。

 

それにしてもですよ、2曲連続で自分に野球の歌が回ってくるのが、本当に嬉しいです。

現在地、確認!
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
5月26日 12:32

BINGOの現在地、確認配信!

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河をまた渡った
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
5月24日 6:24

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