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曲がりなりにも作曲家という看板を出して、今年で20年目になります。それ以前も、自分が歌うための曲は一応プロとして作っていましたが、楽曲提供という軸を決めて、実際に提供できるようになったのが2006年。そこからを僕は作曲家としての時間と捉えています。
長いのか短いのか、自分でもよくわからない20年です。その中で何度か、素晴らしい出会いと運に恵まれてきました。
この夏、乃木坂46さんにメロディを提供させていただいた『是非に及ばず』。エピソードに事欠かない曲でした。制作の顛末も、そこから起きたことも。
乃木坂さんのツアー最終日の神宮球場。APAZZIと会うのは本当に久しぶりでした。おそらくコロナ禍のさなか、5、6年前に、Akira Sunsetや杉山勝彦くんと生配信をしたとき、APAZZIも遊びに来てくれた。それ以来だったと思います。
でも、どれだけ間が空いても、本当の仲間はすぐに昔に戻ってしまう。特にAPAZZIとは、酒を飲んで遊びに行ったりという関係ではなく、本当に音楽だけでつながった仲間だからね。
10年くらい前、最初に会って意気投合したのはビートルズの話でした。あれだけアップ・トゥ・デートな音楽を作っているAPAZZIが、まさかのビートルズマニア。本当に嬉しくて、それから会うたびにビートルズの話ばかりしています。
そんなわけで10年ほど前からちょくちょくコライトさせてもらっていて、NGT48さんの『Whatcha Gonna Do』(これも思い出深いです)や、いくつかのCM曲もやりました。僕がセルフカバーした『君はメロディー』のプロデュースもAPAZZIなんです(ぜひサブスクで聴いてみて!)。
ただ、表題曲を一緒に、は今回が本当に初めてだったので、2人でとてもとても喜びましたし、制作にあたっても丁寧に丁寧に話し合いながら、集中して積み上げて完成まで持っていくことができました。
自分の大切な作品を皆さんに育てていただく過程を、どうしても現場で見たかった。だからツアーには何回も足を運びました。ありがたいことにご招待いただいた日もありましたが、自分でチケットを買っても見に行きました。10代の頃から坂道グループの大ファンだった娘と一緒に行けた日もあって、それも本当に嬉しかったんです。
最終日。
神宮のスタンドでAPAZZIと並んで、光の海のように広がる客席と、地鳴りのような歓声を浴びながら聴く『是非に及ばず』。あの4分間が僕たちにとっての「永遠」と呼べるものなんだと。そしてそれは、ファンの皆さんにとっても、パフォーマンスする乃木坂46の皆さんにとっても、スタッフの皆さんにとっても同じなんだろうと。
それこそがポップスの魔力。あの4分間に全員がすべてをかけるという、エンターテインメントの感動の原点を見せていただきました。
乃木坂46さんの表題曲を取ることは、夢でした。BINGO。このちっちゃな会社めいたものを、最小の資金で立ち上げた時点での、まず大きな大きな大きな見果てぬ目標でした。それくらい乃木坂46というアーティストは、僕たち作曲家にとって大きな存在です。
これからまたたくさんの失敗を重ねていくにしても、楽曲というもので世の中にアピールし、皆さんに喜んでいただくことを全力でやり続けていれば、いつかまたこんなご褒美をもらえるかもしれない。
APAZZIは本当に音楽が好きな人で、音楽のことしか考えていない人で、なんなら音楽しかできないナイスガイです。愛すべきナイスガイ。ずっと音楽のことを喋っているんだから。
これだよな、と思いました。好きなことをやれることを喜びに感じて日々を暮らす。僕もそうありたいなと思う。心から。
握手して別れました。僕が乗った電車が動き出すまで、APAZZIはずっと手を振ってくれていた。
作曲家として20年目の夏。こんなにも充実した夏を過ごさせていただきました。
これを今読んでくれているあなたのおかげです。本当にありがとうございます。
昨日は楽しい夜でした。
乃木坂さんの神宮コンサートに、石崎光さんと白井大輔くんと共に行ってきました。ご存知のように、今回の乃木坂さんのシングル『是非に及ばず』では、表題曲を含めて収録曲7曲中4曲に、僕たち3人で関わらせていただいた。光さんと僕は前作からの連続採用であり、光さんに至っては2作連続の「マルチ採用(2曲採用)」だし、白井くんは嬉しい乃木坂さん初採用。
公演の2時間ほど前、会場近くのカフェで待ち合わせた僕たち。光さんと白井くんは感動の初対面。オンラインでいつも話してるから、そんな感じはしないんだけどね。
3人でアイスコーヒーを飲みながら、今の状況の幸運さに感謝。考えられる限りの中で最高の結果を生むことができた、これはもう「たまたま」の結果でしかない。思いっきり自分たちのスイングをしたら、「たまたま」芯を食ってホームランになった、と。僕たちはそう捉えています。
しかしながら、たくさん打席に立つこと。強いスイングをすること。狙いを定めること。空振りを恐れないこと。日頃から(なるべく)丁寧に生きること。自分の頭で考えること。それらをコツコツ続けること。などは、「たまたま」ではできません。そっちの方が大事なんであって。
僕なんかもう、これまたご存知のように、アップダウンの激しい人生なので、このような「たまたま」なんてずっと続くわけないって知ってるから。だからこそ、この最高の夏を、思う存分楽しもうじゃないか。とそう考えるわけです。そうじゃなかったら怖くて足が震えちゃうよ。なんと言っても、僕は僕と57年付き合ってきたわけで。成瀬の「大したことなさ」を一番知ってるのは、僕、成瀬英樹自身だから。
光さん、次のコンペ用にもう◯曲書いてるんだって。白井くんも僕も言葉を失ったけど。
僕も作曲を愛することには人後に落ちないと自負しているけど、光さんはマジえぐいって。だから聞いてみた。ねえねえ光さん、僕なんか作曲は好きなんだけど、書き出すまでというか、いざ書こうってなるまでに時間かかっちゃうんだよね、何かいい方法ない?
光さんは言う。僕はもう、朝起きたら書くんです。と。ああ、なるほど、歯を磨くようなもの? はいそうですね。なるほど、それって「習慣」だ。なるほど。
なんかすごく、大切なことを聞いた気が僕はした。習慣が大切だなんて誰でも知ってるけどさ、今の僕に一番響く言葉がまさか「習慣」だったとは。
土砂降りという言葉も慎ましく思えるほどの豪雨の中、乃木坂さんたちはずぶ濡れになりながらのパフォーマンス。白井くんの楽曲『告白したい病』のイントロが流れた瞬間、光さんと白井くんが「おおお!」と声をあげ、二人でイントロのスキャットを口ずさんだ。僕も右目の端で二人を捉えながら、この瞬間を見逃すまいと、ステージから目を離せずにいた。
よかったな白井。その嬉しい気持ち、すごくわかるよ。そして、来場した日に自分の楽曲を歌っていただけること、やはり強い運を持ってるよ。光さんの曲は前日と前々日に歌われていたのだからね。
BINGOはじめてよかったよ。何人かをメジャー作家デビューまで連れて行ってあげることができた。それって、間違いだらけのろくでもない僕の人生において、ものすごく少ない良きことのうちの一つだよなって思う。白井くんもそうだ。去年1月のデビュー(いきなりオリコン1位!)から、もう7曲のリリースになっている。
1曲は決まるんです。2曲目も勢いで行けるかもしれない。本当に大切なのは3作目なのではないかと思っています。特にコンペで安定して結果を出し続けることは至難の業。僕だって安定感のなさには定評があります。
しかしながら、石崎、白井の両作家の安定感よ。素晴らしい。
でもさ、結局、オレたち、自分の曲が好きなだけなんだよね。自分が聴いて心から楽しめる音楽を、自分自身で作ることができる。もう、それだけで、作曲の目的のほとんどは終わってる。それを聴いてたくさんの人が楽しんでくれるなんて。それを、感じることができるなんて。
作家冥利に尽きる。古めかしい言葉ですが、美しい。それに、もう、そうとしか言えないよ。作家冥利に尽きる。
中盤以降、雨はあがった。
気持ちのいい風が吹いていた。そして本編最後に『是非に及ばず』で豪快にフィニッシュ。神宮のスタンドとアリーナが、ファンの皆さんの気持ちのこもった光によって、大きな海のように、激しく揺れ続けた。バックスクリーンの向こうで花火はドッカンドッカン上がる。ダンスヴァージョンに変更されたアレンジも最高にご機嫌。
いや、何より、会場の盛り上がり方はちょっと尋常じゃなかった。
『是非に及ばず』。APAZZIからトラックをもらった時の気持ちをよく覚えている。このシンプルで激しく強いトラックに、ロックネスとヒット性を兼ね備えたメロディを書くべく格闘したことも。
さあ、明日からも、歯を磨くように、顔を洗うように、食事をするように、習慣として、作曲を続けよう。だってこれは、僕たちの憧れの仕事だったんだ。言ってみれば「夢」の中に僕たちはいる。
コツコツやっていれば、またそのうち、たまたま、うまくいくよ。それまでに一体何曲、自分のプレイリストにお気に入りの作品たちを並べておけるだろうね。楽しみでしょうがない。
それにさ、もうその「たまたま」が来なくたっていいじゃない。2026年の夏を僕は忘れることはできない。きっと一生分の思い出だよ。それに、僕なんか、もともと何も持っていない、なんでもないただの男なのだ。
なるせ、あせるな。
13日は千葉県で歴史的な大雨が降った。BINGOの仲間にも千葉在住がいるので気にかけながら、14日、予約していた飛行機をリスケして新幹線で東京に行くことにする。成田から東京方面の交通状況がどうなっているのか分からなかったのもあるし、別に急ぎの用があるでもない。ゆっくり時間をかけて移動するのが僕は好きなのだ。
とはいえ、盆休みの真っ只中に、北海道から東京の切符が無傷で取れるわけもなく、函館から東京は立ち見とあいなった。それもまた旅である。座って移動するのだって、数時間だとなかなかに大変なところ、立って行けるのかなんて想像も出来なかったけど、やったことのないことは楽しそうだからやってみる主義である。決行だ。
今回のサマソニは15日。僕的に目当てのアーティストはデイヴィッド・バーン。トーキング・ヘッズのフロントマンとして、ずっとリアルタイムで聴いてきたアーティスト。ただ、大ファンかと問われるとちょっとあやしくて。大好きな曲はたくさんあるのだが、全体的なイメージがあまりに僕にはスノッブすぎる。というか、80年代の神戸のスノッブな大人を気取っていた人々が好んで聴く代表がトーキング・ヘッズなので、そんなわけもあるのかもしれない。みんな気取ってたな。かっこよかったけど。
そのデイヴィッドのことを比較的深くシンパシーを感じるようになったのは、数年前に観たライブ映画『アメリカン・ユートピア』に深く感動したからだ。シアトリカルというか、統制が取れているというのか、デイヴィッド含むバンド全員が揃いのスーツを着て裸足で、それぞれ持ち運べる楽器を持ち、歌い踊る。一番近い例えはチンドン屋かもしれない。おしゃれで知的なチンドン屋。
とはいうものの、その映画で僕が一番心を惹かれたのは、この映画の時点で70歳前後であろうデイヴィッドが(今現在は74歳、らしい)実に肉体的だったからである。決してソウルフルなシンガーではないのだが、声量や歌手としての技量は明らかに若い頃より素晴らしい(と僕は感じる)、若さゆえの「アク」が抜け、ただ「ソング」と「肉体」と「アイデア」がそこにある、というソリッドさに、だ。
おまけに、サマソニ公演の前に、デイヴィッド・バーンのワンナイトスタンドのワンマンライブがあって、その評判がTLの栓を閉めていても、ダダ漏れに漏れて伝わってくる。みんな興奮している。そりゃそうだろう。なんといってもデイヴィッド・バーンなのだから。
Rain Tree 5th Digital Single『好きなんて嘘に決まってる』が、8月12日(水)に配信リリースされました🌱
Rain Tree『好きなんて嘘に決まってる』
作詞:秋元康
作・編曲:石崎光
表題曲は石崎光さん作曲・編曲。「光サウンド」の名曲がまた一曲世に放たれたことを心から嬉しく思います。
MVも最高でした🎊 カラフルな西洋風のおとぎ話のような世界観と、楽曲が見事に響き合っています。
そして同じシングルに、もう1曲🎉
Rain Tree『かわいさ陰謀論-Othello-』
作詞:小原信治
作曲:寺崎崇明・石崎光
編曲:石崎光
成瀬ゼミのかわいい愛弟子、テリーこと寺崎崇明くんが、48歳にしてついに作曲家メジャーデビューを果たしました!🎉
50年代のロックンロールと令和のアイドルが大好きなテリーに、僕がずっと伝えてきたのは「徹底的に人と違うことをやろう」ということ。
他の作家と同じような曲を書いていても勝負にならない。テリーが大好きな50年代ロックンロールのレジェンドたちから楽曲のエッセンスをもらって、それを令和のアイドルソングとして再構築する。それがテリーの武器になる、とずっと説き続けてきました。
今回のデビューは、テリーにとっても僕にとっても大きな自信になりました。
一つ一つ積み重ねてきたテリーだからこそ、ここから確実に採用を取っていける作家になれると僕は信じています。
ポップの世界って、一発、二発は書けちゃうんですよね。でも3曲、4曲と安定して採用を取っていってこそのプロフェッショナル。
テリー、48歳なんてまだまだ駆け出しだぜ。
ここからだ!
BINGOの作家たちの曲が、こうして並んで世に出ていくのは本当にうれしいことです。
ぜひ聴いてみてください🎸
石崎光さん、同時採用おめでとうございます。
そして、テリー、メジャーデビュー本当におめでとう。
これからもBINGOの応援をよろしくお願いします!
お疲れ様です!!!
メンバー限定にはなりますが、「B1グランプリ」振り返り生配信、珍しく夜の時間にやりますよ!!!