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『Begin Here』
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
4月21日 9:46

久しぶりに音楽の話題から一つ。The Zombiesのファースト・アルバムのモノラル版が出ましたね。アナログも出ているのかな。もし出ているなら、これはぜひ欲しい。実は僕、この『Begin Here』というアルバムにめちゃくちゃ影響を受けていて。

 

十八歳の時に、本格的には二つ目のバンドだったTHE SILENTZを組んだんですけど、その時にいちばん参考にしたのがこのThe Zombiesでした。最初の編成は、ドラム、ベース、ギター二人、キーボード、そして僕はヴォーカル専任という六人組で。で、そのメンバーでライブを始めた頃、たしか最初か二回目か、神戸チキンジョージでデビューしたばかりのSuper Badと対バンしたんですよね。

 

その時、Super Badの高田エージさんが楽屋で「君たち、The Zombies好きでしょ。The Zombiesみたいでかっこいいね」と言ってくださって。あの一言、めちゃくちゃ嬉しかったんです。「わかってくれてる」と思って。僕がいまだに高田さんをヒーローのように思っているのは、あの時の記憶がすごく大きいんだと思います。

 

当時の僕は十八、十九で、生意気盛りで、しかもギターも弾かず、すっかりミック・ジャガー気取りでステージをくねくね動き回って歌っていて。そんな僕に、Super Badのマネージャーさんがものすごく的確なアドバイスをくださったんですね。その内容は企業秘密ということにしておきますけど、僕はいまでもそれを守り続けています。The Zombiesのファーストには、そういう思い出まで含めて、特別なものがあるんです。

 

ストーンズとかヤードバーズとか、あの時代の英国のバンドにはブルースを基調にしたものが多いわけですけど、The Zombiesはそこからちょっと一線を画していて。やはりキーボード・プレイヤーがバンドの核にいること、そして何よりコリン・ブランストーンの声ですよね。あまりにも美しい。いわゆるブルージーなヴォーカルとはかなり違う、スモーキーでソフトな声なんだけれど、その彼がシャウトするとこれがまためちゃくちゃかっこいい。

 

ボ・ディドリーの「Road Runner」から始まって、インストゥルメンタルもあり、十二弦ギターを基調にしたバラードもあり。The Zombiesといえば、やはりこの後の『Odessey and Oracle』の評価が圧倒的に高いわけですけど、このファーストも本当に素晴らしいんです。サブスクでも聴けるようなので、未聴の方はぜひ。(そういえば「君はメロディー」の間奏のエレピソロ、The Zombies味ありますね)

 

そんなわけで、昨日は久しぶりに全体Zoomミーティングがありました。ここ一、二週間、ちょっと本当に激務で、僕だけでなく石崎光さんもかなり大変なことになっていて。ようやく少しだけその山を抜けたので、急きょみんなを集めて、前回のコンペについてのB1ミーティングをやったんですね。新しい仲間も加わって、BINGOも心機一転、また頑張っております。

 

ありがたいことに、乃木坂46さんの新しいシングルが大変好評で、セールスもかなりいいみたいで。その中に弊社の曲が三曲入っているわけです。もちろん本当に嬉しいんですけど、正直なところ、こちらが思い描いていた以上というか、夢にも見なかったぐらいの結果が出ていて、ちょっと驚いてもいるんですよね。

 

ただ、結果は結果でしかなくて。やっぱり日々一生懸命に作ること、少しでもいい曲を書くこと、少しでも先方に喜んでもらえるものを出すこと、その繰り返ししかないんだと思います。結果にとらわれると、ろくなことにならない。自分の力をちゃんと出し続けることだけが大事なんだなと、最近ますますそう思います。

 

もちろん目標はありますよ。次の乃木坂の表題を取るぞ、とか。でも大事なのは、そこに執着することじゃなくて、そのための努力を本当にしているのかどうか。自分自身にもそれを問い続けたいし、みんなにも共有したい。願うだけじゃなく、そこに届くための作業を一つひとつやっているのか。結局、問われるのはそこなんだと思います。

 

それから、報告が少し遅れましたけど、先週末は、風輪さんがエスコンフィールドに来てくださいました。風輪さんは試合後にライブもあって。これがもう本当に素晴らしかった。SNSをやっている人が「良かった」と言うのはもちろんですけど、そうではない方も、たまたま通りがかった方も、きっと足を止めて聴き入っていたと思います。エスコンフィールドって、試合後もいろいろな人が行き交いながら営業しているので、その空間の中であの歌声が響く感じがまた良かったんですよね。

 

その風輪のおふたりは、歌がいい、かっこいい、というのはもちろんなんですけど、何より印象的だったのはステージマナーでした。あんなにステージマナーのいいアーティスト、僕はなかなか見たことがない。おふたりとも、始球式でマウンドに上がる時も、グラウンドに出てくる時も、去る時も、すべてきちんと深くお辞儀をされていて。ああいう細やかな所作に、その人の姿勢って出るんだと思うんです。結局、そういうところがいちばん人の心を打つのかもしれないなと。

 

始球式の前には激励を、終演後にも楽屋にてねぎらいの言葉をかけさせていただきした。そして新たな誓いもを交わさせていただきました。目標さえ決まれば、あとはそこに向かって全力で走るだけ。やりますよー!

今回もいろいろな出会いがありました。何より印象的だったのは、ファイターズのスタッフの皆さんも、GAORAの皆さんも、風輪さんのライブに感動してくださっていたこと。これが本当に嬉しかったですね。


風輪さんとの日々については、BINGOのメンバーもよく知っていると思います。僕はおふたりのデビュー前から、曲を書けることそのものを喜びだと感じてきたし、実際、おふたりとのソングライティングセッションを通して、自分自身かなり成長させてもらってきました。今後も引き続き、ご期待に応えられるような作品を作っていきたいと強く思うのです。そして、みんなでコンペも頑張りたい。もちろん、次の乃木坂の表題は絶対にうちが取るぞ、と昨日も誓い合ったところです。

 

そんなBINGOのB1ミーティングの模様は、このあと期間限定で生配信します。メンバーの皆さんはぜひご覧ください。では、今日も一日頑張っていきましょう。北海道は、まだまだ寒いんです。

昨日の夕方、東北・北海道で地震がありましたね。僕が住む町もかなりの横揺れで、津波警報まで出ていました。僕たちには震災の記憶が体験として残っているので、やはり一層、日々注意して暮らしていかなきゃいけないなと改めて感じます。
 

僕自身も、あらためて気を引き締めて、いざという時に備えていこうと思っています。不安な夜を過ごされた皆さん、心よりお見舞い申し上げます。僕にできることは多くはありませんけれど、こんな時こそ音楽が少しでも癒しになればと、強く願っています。

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エスコンフィールドと、受け継がれていく音楽のこと
成瀬英樹
成瀬英樹
4月19日 8:04

おはようございます。快晴の日曜日、4月19日の朝です。

 

東京から戻ってきたのは、17日のお昼前でした。新千歳空港に着いたとき、「ああ、帰ってきたな」という気持ちが自然とこみあげてくる。東京は長く暮らした大切な街で、思い出も本当にたくさんあって、今でも大好きです。でもやっぱり、いま暮らしている北海道の空気に、もう身体がすっかり馴染んでいるのかもしれません。こちらでの生活も、もう3年目ですからね。

 

気がつけば、娘が北海道で学生生活を送った期間よりも、僕がここで過ごした時間のほうが長くなりつつあります。人生って本当に不思議なものだなと、あらためて思います。

 

その17日、AKB48の川村結衣さんと花田藍衣さんがエスコンフィールドHOKKAIDOに来場され、北海道出身でファイターズファンでもある川村さんがファーストピッチを務められました。

 

実はその2日前、東京で川村さんが出演されていたAKB48劇場の公演を拝見していたんです。新しくなったAKB48劇場を観るのは僕も初めてだったのですが、これが本当に素晴らしかった。あらためて、AKB48はやっぱり劇場公演だな、と。シンプルな話なんですが、やっぱりそこに尽きるんですよね。

 

その中でも、ひときわ目を引いていたのが川村さんでした。だからこそ、その数日後にエスコンフィールドでお会いできたのは、本当にうれしかった。お忙しいなか、わざわざ時間をつくってくださって、球場のコンコースの端のほうで一緒に写真まで撮っていただきました。その間ずっと、両隣から「『君メロ』がすごく好きです」「BINGOが大好きです」と声をかけていただいて、なんとも幸せな時間でした。しかもそのとき、お二人から僕の名前入りで、とても達筆に書かれたサイン入りのCDまでいただいたんです。あれは、作り手として本当に胸に沁みる贈り物でした。作曲家冥利に尽きる、とはまさにこういうことなんだなと思いました。

 

劇場で公演を観ながら感じたのですが、AKB48はもう20年の歴史を持つグループなんですよね。メンバーは何度も新しい世代へと入れ替わっていく。それでもちゃんと伝統が受け継がれていく。その力は本当にすごいと思います。AKB48の音楽には、昭和から連なる良質なポップスやアイドルミュージックの伝統が確かに息づいていて、それを今の新しい世代の彼女たちが、とても洗練されたかたちで受け継いでくれている。そのことに強く心を打たれます。

 

そして今もなおヒットを生み続けるグループ、AKB48。その長い歴史のほんの一部にでも自分が関わることができているのだとしたら、それは本当に光栄なことだなと、あらためて思いました。

 

なにより特筆しておきたいのは、川村さんのファーストピッチの素晴らしさです。

 

ファーストピッチというのは、野球選手にとって神聖なマウンドに立つ、ということでもあります。もちろん、エンターテインメントとしての華やかさも大切でしょう。でも僕はやっぱり、野球へのリスペクトが感じられて、これから始まる真剣勝負の空気を壊さないファーストピッチが好きなんです。

 

この3年間、エスコンフィールドに毎日欠かさず通ってきました。だから多くのファーストピッチを見てきたわけですが、印象に残るエンターテイナーのピッチという意味でいえば、今回の川村さんは間違いなく上位に入る、いや、もしかしたら一番だったかもしれません。なにより、その場に立てる喜びが本当に伝わってきた。本物のファンなんだなということが、球場全体にしっかり伝わっていたように思います。しかも北海道出身ということもあって、周りからも「応援したくなるよね」という声がたくさん聞こえてきました。ああいう空気って、本当にいいものです。

 

そして今日、4月19日は、二人組歌謡グループの風輪さんがエスコンフィールドに登場します。試合前にはファーストピッチ、試合後にはスペシャルライブ。

 

風輪さんとの出会いは、デビュー前までさかのぼります。スタッフの方が僕の楽曲を好きでいてくださって、当時Twitterに「曲を書かせてください」と投稿したところ、すぐに連絡をくださったんですよね。「歌謡曲でも大丈夫ですか」と聞かれて、「いやもう、歌謡曲めちゃくちゃ得意ですよ」とお返事したのですが、実を言うと、その頃の僕はマイナーキーの曲を書くのがあまり得意ではありませんでした。どちらかというと、メジャーキーの爽やかな曲を多く書いてきた人間だったんです。

 

けれど、せっかくいただいたご縁です。自分の中に眠っていた歌謡曲のDNAを探ってみたら、これが思いのほかたくさん出てきた。子どもの頃からテレビの向こうで流れていたのは、演歌であり、歌謡曲であり、昭和の音楽でした。僕はただ、その時代の空気の中に降りていって、そこからメロディを引っ張ってくればよかったんです。今ではもう、マイナーキーのほうが得意なくらいになりました。

 

風輪さんとの出会いがあったからこそ、自分のソングライティングの幅は確実に広がりました。本当に感謝しています。

 

その流れの中で生まれた大切な曲のひとつが「人生TENKI」です。2024年10月16日に発売されたこのシングルは、オリコン週間演歌・歌謡曲シングルランキングで初登場1位、オリコン週間シングルランキング総合では6位に入りました。

 

もちろん、結果が出たこともうれしい。でも、それ以上にうれしいのは、この曲がお二人にとっても、僕にとっても、歌い継いでいける一曲になったことです。大切に育てて、ずっと歌い続けてくれていること。それこそが、作曲家としてなによりありがたいことなんですよね。冥利に尽きます。

 

実は今も、僕の頭のなかには、ずっと風輪さんのことがあります。それくらい強く心を向けて曲を書ける相手がいるというのは、作家として本当に幸せなことです。だから今日、なんだか久しぶりな気がしないお二人にお会いできるのを、とても楽しみにしています。

 

とりわけ、翔司さんにとって、今日のファーストピッチは特別な意味を持つ一日だと思います。翔司さんは東海大四高校、現在の東海大学付属札幌高等学校で野球をされていた方です。青春時代に白球を追いかけた北海道の地で、エスコンフィールドのマウンドに立つ。その特別さは、周りが思う以上に、ご本人にとってずっと深いものなんだろうなと思います。

 

SNSなどでも、翔司さんがこの日のために準備されている様子を拝見してきました。今日はきっと、ひとつのエポックメイキングな日になる。エンターテイナーとして、どんなファーストピッチを見せてくれるのか、本当に楽しみです。そしてもちろん、試合後のライブも楽しみにしています。

 

エスコンフィールドは、野球だけではなく、こうしたイベントも本当に充実しています。僕自身、イベントのある日はつい最後まで残って見てしまうことが多いです。純粋に楽しいし、いろんな意味で勉強にもなるんですよね。

 

札幌近郊にいらっしゃる方は、入場券だけでも十分に楽しめます。もしお時間が合えば、ぜひエスコンフィールドへ足を運んでみてください。野球場という場所が持っている熱と、そこに集まる人たちの思い、そしてその日その日だけの特別な空気を、きっと味わえるはずです。

配信すっぞ!
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
4月18日 10:03

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手を繋いで帰ろうか
成瀬英樹
成瀬英樹
4月14日 10:50

娘の新しい部屋は、大変快適である。
 

昨夜、彼女は夜遅く帰ってきた。学校とアルバイトで忙しい日々を送りながらも、相変わらずたくさんの本を読んでいるようだ。
 

帰宅してから、娘といろんな話をした。夏に旅行に行こうか、なんて他愛もない会話から、話題は本のことへ。以前、僕が谷崎潤一郎の『細雪』を勧めたのをきっかけに、彼女はすっかり谷崎の魅力にハマってしまったらしい。今や彼女の中では一大「谷崎ブーム」が到来していて、あらゆる著作を読み漁っているという。
 

僕は『細雪』以外の谷崎作品というと、エロティシズムの表現がきつそうだという先入観があって敬遠していた。しかし娘から、いくつかの作品の読み方について、思いがけず手ほどきを受けることになってしまった。
 

彼女が語る谷崎潤一郎の小説のあらすじや考察は、ひょっとすると本編を読むより面白いのではないかと思わされるほどだった。やっぱり、物事の本質を掴むのが上手い人には到底かなわないなと痛感する。
 

話を聞くうちに、『卍』がとりわけ面白そうに思えて、「それ読ませてよ」と頼んでみた。すると「あ、卍ならダブって持ってるから、1冊持って帰っていいよ」とあっさり言われた。僕もよく文庫本をダブらせて買ってしまうから、そういうところはやっぱり親子なんだなと笑ってしまった。
 


 

明けて今朝。起きると、娘がパンを焼いてくれていた。「コーヒー飲む?」と聞かれたので、「淹れてくれるの?」と返すと、「もちろん!」と言って、パンが焼き上がるタイミングに合わせて、コーヒーミルでガリガリと豆を挽き始めた。
 

まさか、豆を挽くところからやってくれるとは思わなかった。ペーパードリップでじっくり時間をかけて淹れてくれたその1杯は、大袈裟ではなく、今まで飲んだ中でいちばん美味しいコーヒーだった。深いコクがあってまろやかで、何よりも気持ちがこもっている。ただの黒い飲み物のはずなのに、どうしてこんなにも人の心を穏やかにする力があるのだろう。心を込めて淹れてくれたものというのは、丁寧に作られた料理と同じで、本当に美味しいものだ。
 


 

コーヒーを飲みながらくつろいでいると、娘が突然、「ねえパパ、欅坂の『手を繋いで帰ろうか』って、本当に名曲だと思わない?」と言い出した。「ああ、覚えてる。あれは本当にいい曲だよね」「ちょっと聴いちゃう?」と彼女がiPhoneを操作し、一緒にその曲を聴いた。
 

これは我々の思い出の曲なのだ。欅坂のファーストコンサートに、当時まだ中3だった娘と一緒に行った記憶が鮮明に蘇る。あの頃のさまざまな情景を思い出しながらメロディーを聴いていると、不意に涙が出てきてしまった。
 

本当にいろんなことがあったし、なかなか大変な時期だった。でも今、こうして晴れた日の朝に、娘と同じ曲を穏やかな気持ちで聴くことができている。
 


 

それにしても、エモい曲だ。メロディーが群を抜いて素晴らしい。「この曲のメロディー、パパっぽいよね」と娘が言う。確かにその感覚はよくわかる。
 

これは、僕が作曲術の1つとして提唱している、いわゆる「50mプール」の構造を持っているのだ。サビが長く続くのだけれど、その展開の1つ1つが実に丁寧な反復によって構築されていて、特にサブドミナントマイナーの使い方が本当に巧みだ。これは技術的にもかなり難しい技で、僕自身もよくこのアプローチを使うからこそ、娘は僕の曲の匂いを記憶の中で重ね合わせたのだろう。
 

そういえばこの曲、誰が書いたんだっけ。えっと、誰だっけなあ。
 

娘がサブスクのクレジットをささっと確認して、「あはは、Akira Sunsetだ!」と笑って言った。「マジか!」と僕。
 

Akira Sunsetに泣かされた朝でした。いい音楽は、時を超える。

俺たちみたいなもんはさ、走るために生まれてきたんだよ
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
4月13日 22:00

おはようございます!

 

現在、4月13日の午前中。

 

特急北斗に乗って、東京に向かっています。次は長万部。え? 飛行機は使わないの? というご質問、ええ、確かにいい質問ですね。そうなんです、最近は陸路で動くことが比較的好きで。なんと言っても電車の中でいろんなことをぼーっと考えることができるのと、あわせて旅情を感じたいというのもあり。本だって読めるしね。しかしながら、一番の理由は、細かい歌詞の修正とかを、電車の中でまとめてやってしまおうという魂胆。

 

そう、今回の東京出張の主な目的はレコーディングの立ち合いでございます。またまた、娘の部屋にやっかいになるつもり。彼女は人生何度目かの引越しを終え、新しい部屋で暮らし始めている。

 

 

僕自身、もっと気楽に楽しく生きられないものかと思う。昔っからそうなのだ。うまく行っている時、結果が出ている時、そんな時ほど、心が硬くなってしまう。もうこれ以上はないのではないかと、もう俺の運もここで尽きるんじゃないかと。あるいは、すべてが盛大なドッキリに思えてしまう。まるでジム・キャリーの『トゥルーマン・ショー』のように、僕はみんなの見せ物になっていて、いつか大いなるどんでん返しによって、冷徹な現実に引き戻されるのではないかと。後ろ指を指され「アホか、お前なんかがそんなにうまくいくとでも思っていたのか! これは全部ドッキリなんだよ」とね。

 

不思議なものだ。あれほど、自分の存在を世に問いたいと強く願っていたはずなのに、今は無名でありたいと心から願っている。残念ながら、自分の羽をもぎ、それをなんらかの形(僕の場合はポップソングだ) に織り込み、それを売る事でしか生活ができない。

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