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小確幸
成瀬英樹
成瀬英樹
8月24日 14:27

乃木坂46さんの神宮球場ライブ、僕的3Daysを終えた翌日の月曜日、娘が「大宮までドライブしよう。素敵な映画館があって、ちょうど観たい映画がある」と言うのです。『エレノアってグレイト』という映画。


僕は、映画についてはできるだけ前知識を入れずに観るのが好きです。そして、シネコンにももちろん行きますが、映画好きな人たちが作った街の小さな映画館というものが、まだまだこの日本にはあって、そういう場所に行くこともとても好きなんですよね。


娘が連れて行ってくれたのは、大宮駅西口にある「OttO(オット)」という映画館でした。ちょうど仕事で、大宮が出てくる歌を書いたばかりだったこともあって、なんともいいタイミングだなと思いながら、大宮までドライブしました。


OttOは、1階がカフェ、2階が映画館になっていて、上の階にはシェアハウスもあるという、とても面白い作りの場所です。映画が始まるまで少し時間があったので、1階のカフェでアイスコーヒーを飲みながら待ちました。このカフェがまた、とても素敵なんです。


変な言い方かもしれませんが、きちんとお金をかけて作られていることが伝わってくる。一つ一つの素材や建物の作りがとても丁寧で、この場所を大切に作った人たちの気持ちが、空間そのものから感じられました。


調べてみると、このOttOはクラウドファンディングも行われて作られた場所なのだそうです。こういう、街の文化を守ることや、新しい文化の場所を作るためにクラウドファンディングが使われるのは、とてもいいことだなと思いました。そして、クラウドファンディングで集まった思いが、ちゃんとこの場所に還元されているのがよくわかります。


映画館の中に入って、さらに驚きました。


最前列には、2人で少し横になるようにして映画を観ることができる大きなソファ席が4組ほどあり、その姿はまるで飛行機のファーストクラスのようです。その後ろにも大きめの椅子がゆったりと間隔を取って置かれていて、とにかく空間を贅沢に使っている。とても観やすく、居心地がよく、映画を観るということそのものを大切に考えて作られた場所なのだろうなと思いました。


さて、『エレノアってグレイト』。


主人公は94歳のおばあさん、エレノア。そして彼女には、長年一緒に暮らしてきた大切な親友がいます。


最初は、この90歳を超えた2人のおばあさんの友情物語なのかな、くらいに思いながら観ていました。映画の始まり方ものんびりしていて、エレノアという人が、とにかくよく嘘をつくんです。それも、とても自然に、実に上手に嘘をつく。


なぜこの人が嘘をつくところを、こんなに丁寧に何度も描くのだろう。


そう思いながら観ていたのですが、その積み重ねが後半になって見事に効いてきます。


その日は暑かったので、僕はたまたまハンカチではなく、フェイスタオルを持って行っていました。結果的には、それでよかった。後半は、ハンカチではとても間に合わないくらいに涙があふれてきたから。


映画が終わり、エンドロールが流れている間も、場内のあちらこちらからすすり泣く声が聞こえてきました。そこにいるのは、きっとみんな映画が好きで、こういう小さな映画館を愛する人たち。その人たちが、それぞれに静かに泣いている。


なんと言えばいいのでしょう。人間の魂の一番深いところを温めてくれて、人間が抱えている悲しみの一番根源の部分に、そっと触れてくる。実に見事な映画でした。


これはきっと、僕がこれから先も人生の中で何度も思い出す映画の一つになるだろうと思います。


そして、改めて思いました。映画って、何を観るかだけではないんですよね。誰と観るか、そして、できればどこで観るか。それもすごく大事なことなんだと思います。


考えてみれば、僕はこれまで観てきた大切な映画について、かなりの数、どこの映画館で誰と観たのかを覚えています。映画というものは、作品そのものだけを記憶するのではなくて、その日一日の空気や、一緒にいた人や、映画館までの道のりまで含めて記憶していくものなのかもしれません。


乃木坂46さんとの熱い熱い夏が一区切りした月曜日、娘と大宮までドライブして、素敵な映画館で一本の映画を観た。


ささやかだけれど、小さな幸せ。小確幸とは、こういうことなのですね。

「たまたま」について
成瀬英樹
成瀬英樹
8月23日 11:28

昨日は楽しい夜でした。


乃木坂さんの神宮コンサートに、石崎光さんと白井大輔くんと共に行ってきました。ご存知のように、今回の乃木坂さんのシングル『是非に及ばず』では、表題曲を含めて収録曲7曲中4曲に、僕たち3人で関わらせていただいた。光さんと僕は前作からの連続採用であり、光さんに至っては2作連続の「マルチ採用(2曲採用)」だし、白井くんは嬉しい乃木坂さん初採用。


公演の2時間ほど前、会場近くのカフェで待ち合わせた僕たち。光さんと白井くんは感動の初対面。オンラインでいつも話してるから、そんな感じはしないんだけどね。


3人でアイスコーヒーを飲みながら、今の状況の幸運さに感謝。考えられる限りの中で最高の結果を生むことができた、これはもう「たまたま」の結果でしかない。思いっきり自分たちのスイングをしたら、「たまたま」芯を食ってホームランになった、と。僕たちはそう捉えています。


しかしながら、たくさん打席に立つこと。強いスイングをすること。狙いを定めること。空振りを恐れないこと。日頃から(なるべく)丁寧に生きること。自分の頭で考えること。それらをコツコツ続けること。などは、「たまたま」ではできません。そっちの方が大事なんであって。


僕なんかもう、これまたご存知のように、アップダウンの激しい人生なので、このような「たまたま」なんてずっと続くわけないって知ってるから。だからこそ、この最高の夏を、思う存分楽しもうじゃないか。とそう考えるわけです。そうじゃなかったら怖くて足が震えちゃうよ。なんと言っても、僕は僕と57年付き合ってきたわけで。成瀬の「大したことなさ」を一番知ってるのは、僕、成瀬英樹自身だから。


光さん、次のコンペ用にもう◯曲書いてるんだって。白井くんも僕も言葉を失ったけど。


僕も作曲を愛することには人後に落ちないと自負しているけど、光さんはマジえぐいって。だから聞いてみた。ねえねえ光さん、僕なんか作曲は好きなんだけど、書き出すまでというか、いざ書こうってなるまでに時間かかっちゃうんだよね、何かいい方法ない?


光さんは言う。僕はもう、朝起きたら書くんです。と。ああ、なるほど、歯を磨くようなもの? はいそうですね。なるほど、それって「習慣」だ。なるほど。


なんかすごく、大切なことを聞いた気が僕はした。習慣が大切だなんて誰でも知ってるけどさ、今の僕に一番響く言葉がまさか「習慣」だったとは。


土砂降りという言葉も慎ましく思えるほどの豪雨の中、乃木坂さんたちはずぶ濡れになりながらのパフォーマンス。白井くんの楽曲『告白したい病』のイントロが流れた瞬間、光さんと白井くんが「おおお!」と声をあげ、二人でイントロのスキャットを口ずさんだ。僕も右目の端で二人を捉えながら、この瞬間を見逃すまいと、ステージから目を離せずにいた。


よかったな白井。その嬉しい気持ち、すごくわかるよ。そして、来場した日に自分の楽曲を歌っていただけること、やはり強い運を持ってるよ。光さんの曲は前日と前々日に歌われていたのだからね。


BINGOはじめてよかったよ。何人かをメジャー作家デビューまで連れて行ってあげることができた。それって、間違いだらけのろくでもない僕の人生において、ものすごく少ない良きことのうちの一つだよなって思う。白井くんもそうだ。去年1月のデビュー(いきなりオリコン1位!)から、もう7曲のリリースになっている。


1曲は決まるんです。2曲目も勢いで行けるかもしれない。本当に大切なのは3作目なのではないかと思っています。特にコンペで安定して結果を出し続けることは至難の業。僕だって安定感のなさには定評があります。


しかしながら、石崎、白井の両作家の安定感よ。素晴らしい。


でもさ、結局、オレたち、自分の曲が好きなだけなんだよね。自分が聴いて心から楽しめる音楽を、自分自身で作ることができる。もう、それだけで、作曲の目的のほとんどは終わってる。それを聴いてたくさんの人が楽しんでくれるなんて。それを、感じることができるなんて。


作家冥利に尽きる。古めかしい言葉ですが、美しい。それに、もう、そうとしか言えないよ。作家冥利に尽きる。


中盤以降、雨はあがった。


気持ちのいい風が吹いていた。そして本編最後に『是非に及ばず』で豪快にフィニッシュ。神宮のスタンドとアリーナが、ファンの皆さんの気持ちのこもった光によって、大きな海のように、激しく揺れ続けた。バックスクリーンの向こうで花火はドッカンドッカン上がる。ダンスヴァージョンに変更されたアレンジも最高にご機嫌。


いや、何より、会場の盛り上がり方はちょっと尋常じゃなかった。


『是非に及ばず』。APAZZIからトラックをもらった時の気持ちをよく覚えている。このシンプルで激しく強いトラックに、ロックネスとヒット性を兼ね備えたメロディを書くべく格闘したことも。


さあ、明日からも、歯を磨くように、顔を洗うように、食事をするように、習慣として、作曲を続けよう。だってこれは、僕たちの憧れの仕事だったんだ。言ってみれば「夢」の中に僕たちはいる。


コツコツやっていれば、またそのうち、たまたま、うまくいくよ。それまでに一体何曲、自分のプレイリストにお気に入りの作品たちを並べておけるだろうね。楽しみでしょうがない。


それにさ、もうその「たまたま」が来なくたっていいじゃない。2026年の夏を僕は忘れることはできない。きっと一生分の思い出だよ。それに、僕なんか、もともと何も持っていない、なんでもないただの男なのだ。


なるせ、あせるな。

デイヴィッド・バーンを観るためにサマソニに行ったのに、デイヴィッド・バーンを見損ねて、それでも満足して帰ってきたわけ (その一)
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
8月14日 21:00

13日は千葉県で歴史的な大雨が降った。BINGOの仲間にも千葉在住がいるので気にかけながら、14日、予約していた飛行機をリスケして新幹線で東京に行くことにする。成田から東京方面の交通状況がどうなっているのか分からなかったのもあるし、別に急ぎの用があるでもない。ゆっくり時間をかけて移動するのが僕は好きなのだ。

 

とはいえ、盆休みの真っ只中に、北海道から東京の切符が無傷で取れるわけもなく、函館から東京は立ち見とあいなった。それもまた旅である。座って移動するのだって、数時間だとなかなかに大変なところ、立って行けるのかなんて想像も出来なかったけど、やったことのないことは楽しそうだからやってみる主義である。決行だ。

 

今回のサマソニは15日。僕的に目当てのアーティストはデイヴィッド・バーン。トーキング・ヘッズのフロントマンとして、ずっとリアルタイムで聴いてきたアーティスト。ただ、大ファンかと問われるとちょっとあやしくて。大好きな曲はたくさんあるのだが、全体的なイメージがあまりに僕にはスノッブすぎる。というか、80年代の神戸のスノッブな大人を気取っていた人々が好んで聴く代表がトーキング・ヘッズなので、そんなわけもあるのかもしれない。みんな気取ってたな。かっこよかったけど。

 

そのデイヴィッドのことを比較的深くシンパシーを感じるようになったのは、数年前に観たライブ映画『アメリカン・ユートピア』に深く感動したからだ。シアトリカルというか、統制が取れているというのか、デイヴィッド含むバンド全員が揃いのスーツを着て裸足で、それぞれ持ち運べる楽器を持ち、歌い踊る。一番近い例えはチンドン屋かもしれない。おしゃれで知的なチンドン屋。

 

とはいうものの、その映画で僕が一番心を惹かれたのは、この映画の時点で70歳前後であろうデイヴィッドが(今現在は74歳、らしい)実に肉体的だったからである。決してソウルフルなシンガーではないのだが、声量や歌手としての技量は明らかに若い頃より素晴らしい(と僕は感じる)、若さゆえの「アク」が抜け、ただ「ソング」と「肉体」と「アイデア」がそこにある、というソリッドさに、だ。

 

おまけに、サマソニ公演の前に、デイヴィッド・バーンのワンナイトスタンドのワンマンライブがあって、その評判がTLの栓を閉めていても、ダダ漏れに漏れて伝わってくる。みんな興奮している。そりゃそうだろう。なんといってもデイヴィッド・バーンなのだから。

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駆け出しの48歳
成瀬英樹
成瀬英樹
8月13日 11:55

Rain Tree 5th Digital Single『好きなんて嘘に決まってる』が、8月12日(水)に配信リリースされました🌱

 

Rain Tree『好きなんて嘘に決まってる』

作詞:秋元康

作・編曲:石崎光

 

表題曲は石崎光さん作曲・編曲。「光サウンド」の名曲がまた一曲世に放たれたことを心から嬉しく思います。

 

MVも最高でした🎊 カラフルな西洋風のおとぎ話のような世界観と、楽曲が見事に響き合っています。

 

そして同じシングルに、もう1曲🎉

 

Rain Tree『かわいさ陰謀論-Othello-』

作詞:小原信治

作曲:寺崎崇明・石崎光

編曲:石崎光

 

成瀬ゼミのかわいい愛弟子、テリーこと寺崎崇明くんが、48歳にしてついに作曲家メジャーデビューを果たしました!🎉

 

50年代のロックンロールと令和のアイドルが大好きなテリーに、僕がずっと伝えてきたのは「徹底的に人と違うことをやろう」ということ。

 

他の作家と同じような曲を書いていても勝負にならない。テリーが大好きな50年代ロックンロールのレジェンドたちから楽曲のエッセンスをもらって、それを令和のアイドルソングとして再構築する。それがテリーの武器になる、とずっと説き続けてきました。

 

今回のデビューは、テリーにとっても僕にとっても大きな自信になりました。

 

一つ一つ積み重ねてきたテリーだからこそ、ここから確実に採用を取っていける作家になれると僕は信じています。

 

ポップの世界って、一発、二発は書けちゃうんですよね。でも3曲、4曲と安定して採用を取っていってこそのプロフェッショナル。

 

テリー、48歳なんてまだまだ駆け出しだぜ。

ここからだ!

 

BINGOの作家たちの曲が、こうして並んで世に出ていくのは本当にうれしいことです。

ぜひ聴いてみてください🎸

 

石崎光さん、同時採用おめでとうございます。

そして、テリー、メジャーデビュー本当におめでとう。

 

これからもBINGOの応援をよろしくお願いします!

真夏の夜のB1
BINGO Songwriting Club 「成瀬英樹ゼミ」 メンバー マイソングプラン
成瀬英樹
成瀬英樹
8月11日 20:27

お疲れ様です!!!


メンバー限定にはなりますが、「B1グランプリ」振り返り生配信、珍しく夜の時間にやりますよ!!!

 

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