blog

どうやらリック・ルービンと僕は気が合うようだ。
成瀬英樹
成瀬英樹
1月12日 18:29

お疲れ様です!
 

どうやらリック・ルービンと僕は気が合うようです。
 

今、「リック・ルービンの創作術」という本を読んでいます。これがなかなか面白い。よくある「作曲法」の本とは一線を画している内容で、読んでいるとリック本人が経験を通じて得た「創作にまつわるエトセトラ」が、非常にわかりやすく、しかも文学的に記されているんです。なんというか、創作するための心持ちを描いた、よくできた詩を読んでいるような感覚になります。
 

例えば、こんな文章が登場します。
 

“アーティストとして生きることはひとつの実践だ。
あなたはそれを実践するかしないかのどちらかだ。 



そういうことは得意でないという言葉は意味をなさない。 

それは「自分は修行僧でいるのが得意でない」と言っているようなものだ。

修行僧であることに得意も不得意もない。 

人は修行僧として生きるかそうでないかのどちらかでしかない。



私たちはアーティストが作り上げたものを、そのアーティストの作品と考えがちだ。



だが、アーティストの本当の作品は 

アーティストの生き方そのものなのだ。”

 

(『リック・ルービンの創作術』リック・ルービン/ニール・ストラウス著 ジーンブックス刊)
 

「創造性を高める78の知恵」と帯にキャッチコピーが打たれているこの本ですが、まさにその言葉通り。内容のほとんどに僕は深く共感し、読んでいると「これ、誰かに伝えたいな」と感じずにはいられないんです。僕が日々、作曲や創作の中で感じていた「ぼんやりとした真実のようなもの」が、この本では美しい言葉に形を変え、そこに存在しています。
 

ただし、作曲や創作に関わる人以外に薦められるかどうかはちょっとわからない。僕自身が毎日作曲と創作にどっぷり浸かっている生活を送っているので、フェアな判断ができない部分もあると思います。それでも、もし作曲や創作に関わる人、もしくはこれから関わりたいと思っている人がいたら、間違いなくこの本はバイブルになるでしょう。
 

そして最後に、僕が座右の銘にしたいほど心に響いたリックの言葉を、皆さんにも贈ります。
 

”遊びを通じて簡単に出来上がった作品か、

苦心惨憺の末に出来上がった作品かは、

完成品のクオリティとは何の関係もない。”