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「バズる」より「届く」がいい
成瀬英樹
成瀬英樹
3月31日 9:08

おはようございます。爽やかな月曜日。札幌は快晴です。昨日も朝から晴れていて、嬉しくなって布団を干したんですけど、ちょっと油断してのんびりしてたら、まさかの吹雪! 今日はさすがに大丈夫……だよね? それでも、春は確実に来ています。たとえ気温がマイナス4度だって、春は春。
 

さて、プロ野球もメジャーリーグも開幕しました。マリナーズはまあ……いろいろありますけども(苦笑)、我らがファイターズは敵地・所沢で、なんと開幕3連勝!
 

僕にとって野球って、「人間研究」なんですよ。クラシックを研究する人もいれば、映画を通して人間を掘り下げる人もいる。舞台、絵画、写真……みんなそれぞれの方法がある。僕にとっては、それが「ベースボール」なんです。
 

中でも、「弱いチームが強くなる」プロセスがたまらなく好き。昔からずっと、そういうチームを観てきました。強くなったチームって、必ず一度は崩壊するんです。たとえばファイターズ。ダルビッシュ有、大谷翔平、それぞれの時代に頂点を極めたあと、彼らはもっと大きな舞台へと旅立っていった。そのたびにファイターズは一度リセットして、育成を通じてまた強くなってきた。それは、とても自然で健全なサイクルなんです。
 

僕が心底苦手なのは、「強い状態を買ってくる」こと。無理やり選手を集めて、見かけだけ勝ち続けるチーム。もちろん、それが悪いってわけじゃない。でも、僕は全然好きになれない。何がおもしろいんだよ、って思ってしまうんです。
 

──そんなことを、最近あらためてよく考えるようになりました。

人生だって、きっと同じなんだよなって。「不特定多数」に好かれても、仕方ない。いわゆる「バズる」ってやつ。僕もYouTubeやブログで、それなりに手応えを感じたことはあります。でもそれって、誰かのカバーだったり、誰かの曲の解説をしたり、つまり「誰か」の背中に乗っていただけなんじゃないかって。いや、それももちろん楽しんでやってたけど、再生回数や視聴数ばかりに目がいくと、どこかで自分が削られていくような感覚があるんです。
 

それって音楽の作り方にしてもそうなんですよね。余計な「色気」は必要ない。ほんと、心の芯からそう思う。

 

たとえば「僕のファイターズ大航海日誌」っていうタイトル。明日から変えようと思っています。なんだろう、この世間におもねた感じ。あわよくばバズってくれたら……みたいな。ほんと、ダサい。
 

もっと軽やかに、もっと素直に。あくまでこれは、僕の人生の中の、僕のささやかな生き方。誰かの視線を気にしたものじゃなくて、僕が本当に面白いと思えることを書きたい。
 

誰の心を撃ち抜きたいのか?──答えは、そう。「僕自身」。僕が読み手として、「これ面白い!」と思えるもの。それを、淡々と書き続けるしかない。どこかに、「商売っけ」とか「ちょっとマウント取ろうかな」みたいな気持ちも、確かにあったんですよね。カッコ悪い。ああ、ダサい。
 

でも、もうそういうのやめます。開幕前に気づけて、本当によかった。これからは、自分を相対的にじゃなく、より「個」として濃くしていくフェーズ。今なら、独りよがりにならずに、それができる気がしてる。それでもあなたにだけは届いてほしいって願いをこめて。

今日から、僕は変わるよ。

さあ、今週もガンガン作曲していきます! ここが「あの頃夢見た未来」なんだから!
 

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