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「今日は試合前の練習から見てきました。清宮、めっちゃ守備の練習してましたよ。コーチとつきっきりで」
「あら、そうなの? エラーばっかりしてるものね、清宮」
「エラーの数はリーグ一位みたいです、彼」
「またそれが、大事なとこでやるものね。何試合かスタメン外されてたわよね」
「でもまあ、大阪でなんとか1勝1敗1分、がんばりましたよね」
「オリックス、強いわねえ」
「強いですね。僕、もともと地元が神戸なもので、ずっと見てたチームだから、変な感じです。オリックスと首位争いなんて」
「あらそうなの、神戸なのね」
「はい。でも今は完全にファイターズ推しですけどね」
「そりゃそうよね。じゃなきゃシーズンシートなんて買わないものね」
「あ、そういえば、先日お子さんとお孫さんも来られたんですよね。楽しんでました?」
「そうなのよ。孫が来るのは嬉しいけど、はしゃいじゃって、ゆっくり野球見るどころじゃなかったわ」
「あはは」
「息子が言ってた通りでしょ? このあいだは今井に完全に抑えられた」
「ライオンズのエースっていうか、もう日本のエースですよね、今井」
「それにしても今日の金村、いいわね。三振いくつ取ってる?」
「7個です。6回終わって7個だから、いい感じですね」
「いい時と悪い時がすごくはっきりしてるのよね」
「確かに。2勝してるの、どっちも完封ですからね」
「ねえ、今日、ランナーは出るけど、まだ2点なのよね。今、残塁いくつ?」
「えーっと…10です。多すぎますね」
「こういう時は嫌なのよね。逆転されちゃうパターンじゃないの?」
「大丈夫ですよ! 金村ですから。やってくれます」
「あ!」
「浅村、調子悪かったんですけどね。二塁打か」
「ホームランじゃなくてよかったくらいの当たりね」
「浅村、エスコンでよく打つのよね」
「このあいだもトドメ刺されましたものね。3ラン打たれて」
「ノーアウト2、3塁って、どうやっても点入っちゃうじゃない。あ、ほら」
「それでもゴロでアウト取れたんで」
「1点差かあ」
「そうそう。万波、代打送られましたね」
「2つ三振したものね。新庄さん、厳しいわね」
「2つ目の三振、少し迷ってるように見えました」
「厳しくっていいと思う」
「あ、三振!」
「見事ですね、今日の金村」
「最終回は正義かしら」
「そう思ったんですが、ブルペンで投げてる音が、さっきまで聞こえてたんですが止まりましたね」
「今日は金村にまかせるのかしらね」
「だと思います」
「レイエス、.269かあ。もう少しがんばってほしいわね」
「打率はそうなんですけど、OPSがとてもいいので」
「OPSってなんなの? 最近いろいろあってよくわからないわ。あのOBPってなんなの?」
「ああ、それは出塁率です。.342だからいいですよ。フォアボールが多いってことです。それに長打率を足したものがOPSです。長打率ってのは」
「長打を打つ率?」
「ちょっと違くて、たとえば打率だったら4打数1安打だと.250じゃないですか?」
「うん」
「でも、シングルヒットもホームランも同じ.250ってなると、どちらがチームに貢献してるか数字じゃわからない。だから、ホームランを『ヒット4本』として計算するんです」
「あら、じゃあ4の1なら…」
「10割になります。1.000です」
「じゃあその1本が二塁打だったら?」
「ヒット2本として数えて、長打率5割ってことになります。その長打率と出塁率を合わせたものがOPSで、.800超えてたら合格って感じで見て大丈夫です」
「じゃあレイエスは.832だから、いいのね?」
「そうです。相手が怖がってフォアボールを多く出している、しかも長打が多いってことです」
「あああ、ショートゴロ」
「さあ、金村、最終回行きますね!」
「くううう、辰巳には眠っててほしかったんだけど」
「あ! 山縣! 惜しい!」
「やばいですね。ワンアウトで2、3塁。同点になっちゃいますね。内野前進してますし、転がせば一点入る」
「金村……」
「がんばって……」
「あ!」「お!」
「ここでショートフライ! 転がすこともできなかったかあ」
「強い球投げてたのね。帰ってDAZNでじっくり見るわ」
「さあ、あと一人……、あああああ清宮!」
「清宮!!!!!」
「アウト!」「間に合った!」
「やりましたね、金村完投です!!!」
「清宮、守備練習の成果出たわね!」
「ヒロイン、金村と誰ですかね? あ、石井だ」
「3安打だものね」
「そうそう、今日そこでランチ食べたんですが、帰りに石井のカードもらったんで、お孫さんにあげてください。記念に」
「あら、いいの。ありがとう」
「ナイスゲームでした! また明日来られますか?
「そのつもりよ、明日の先発は...ええっと」
「加藤です! 勝ちましょう!」