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古林、マダックス達成!〜僕のファイターズ大航海日誌 #27
成瀬英樹
成瀬英樹
5月13日 9:49

「こんにちは!」

「あら、こんにちは! どこにいたの?」

「いや、グーリンの球筋見たくて、ネット裏あたりをうろうろしてました」

「そうなのね、吉田のホームランは…」

「はい、しっかり見ましたよ! 豪快でしたね」

「先頭打者ホームラン、しかも初球ってね」

「吉田、見事に新庄さんの起用にこたえましたね!」


 


「それにしても、昨日の万波はすごかったわね! 6打点って」

「満塁ホームラン返しからの『ルーズヴェルト・ゲーム』、やばかったですね!」

「そうそう、『ルーズヴェルト・ゲーム』ってよく聞くけど…何なの?」

「『8-7』のスコアの試合をそう呼ぶんですって。かつての大統領フランクリン・ルーズヴェルトさんが、『野球は8-7の試合こそ一番面白い』と言ったとか何とか」

「あ、万波、ナイスヒット!」

「調子上がってきましたね、万波」

「さあ絶好調の石井よ。一昨日あなたにもらった石井のカード、孫にあげたら喜んでたわ」

「それはよかったです。にしても、石井がこんなに爆発するとは思わなかったですよね」

「昨日も3安打…あ、打ったわよ、おっきいわ」

「おおおおおおお、こっち来る!!!」

「わああ、すっごい、頭こえて行ったわよ!!!」

「2階席まで飛びましたね!!! すげえな石井」

「彼にはこれがあるのよね」

「長打力ありますからね。しばらくセカンドは石井で固定されるかもですね」


 


「それにしても、今日もグーリンは安定してるわね」

「いやあ、近くで見ると、まさに『火球』って感じでしたよ。球速表示よりズシンと感じます」

「カーブもいいのよね。ハムはいいピッチャー獲ったわね。もうあっという間に5回よ」

「あ、言っちゃダメですよ」

「言っちゃダメってアナタ言っちゃってるじゃない。『まだパーフェクト』でしょ」

「あああ、言っちゃった」

「そんなことで打たれるようならダメよアナタ…あ、ヒット」

「こういうのあるあるですよね。言ったとたんに打たれるんです」

「あたしはむしろ、パーフェクトとかがかかってるとドキドキして見てられなくなるから、一本くらい打たれた方が安心なのよね」

「そういえば、いつも最終回の大事なとこでいなくなりますよね。どこ行ってるんですか?」

「コンコースをうろうろしてるのよ。昨日も田中正義が最後ハラハラさせるから、見てらんなくて」

「一番おもしろいところなのに!」

「わーっていう歓声で、だいたいどうなったかわかるから、いいのよ」

「あはは。じゃあ今日は安心して見てられますね」

「ね。グーリン、すごいわね。完封するんじゃない?」

「いや、完封どころか…」

「言っちゃダメよ、マダックスでしょ」

「言っちゃってるじゃないですか」

「でも、いつ頃からマダックスなんて言いはじめたのか、最近よね」

「ですね。そもそもマダックスってピッチャーが、そんな往年の人ではないですから」

「最近のピッチャーなの?」

「90年代ですね。野茂さんがデビューした頃のライバルですから、最近といえば最近ですかね」

「それだって、もう30年前の話になるのよね。時がたつのって早いわ」

「さあ、最終回。今89球だから…ギリギリだけど、いけますよ、マダックス」

「マダックスって99球まで? 100球ならマダックスじゃないの?」

「えーと、たしか100球未満だったと思います。だから99球までじゃないかなって」

「じゃあギリギリじゃない? あ、ショートゴロ」

「91球かあ、あとアウトふたつ」

「みんな、一球ごとにスコアボードの投球数を確認してるの、楽しいですね」

「グーリン狙ってるかな?」

「4点差ありますし、どんどんストライク取っていけるから狙って欲しいですね」

「村林、ちょっとイヤなバッターよね」

「昨日満塁ホームラン打たれてますからね」

「あ、空振り三振!」

「ツーアウトね! 96球ということは、あと3球ね」

「グーリン、この回全部ストライク投げてます、すごいな」

「待ったところでどんどんストライク投げられるから…」

「打っていくしかないんですよね。あ、ショートゴロ!!!」

「やったああああ、マダックス達成よ!!」

「いや、ほんとに、とんでもないピッチャーですよ!!!」

「3連戦3連勝ね。楽天もいいチームだけど、勝ててよかったわ」

「ほんとですね。4月はエスコンでまったく勝てなくて苦しかったですからねえ」

「今日オリックスが負けたら、単独首位ね! さ、帰るわね、孫たちと晩御飯なの」
「あ、今日は母の日でもありますものね。楽しんでくださいね、また次回お会いしましょう」

「次はオリックス戦ね、楽しみだわ」



 

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