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「こんにちは!」
「あら、こんにちは! どこにいたの?」
「いや、グーリンの球筋見たくて、ネット裏あたりをうろうろしてました」
「そうなのね、吉田のホームランは…」
「はい、しっかり見ましたよ! 豪快でしたね」
「先頭打者ホームラン、しかも初球ってね」
「吉田、見事に新庄さんの起用にこたえましたね!」
「それにしても、昨日の万波はすごかったわね! 6打点って」
「満塁ホームラン返しからの『ルーズヴェルト・ゲーム』、やばかったですね!」
「そうそう、『ルーズヴェルト・ゲーム』ってよく聞くけど…何なの?」
「『8-7』のスコアの試合をそう呼ぶんですって。かつての大統領フランクリン・ルーズヴェルトさんが、『野球は8-7の試合こそ一番面白い』と言ったとか何とか」
「あ、万波、ナイスヒット!」
「調子上がってきましたね、万波」
「さあ絶好調の石井よ。一昨日あなたにもらった石井のカード、孫にあげたら喜んでたわ」
「それはよかったです。にしても、石井がこんなに爆発するとは思わなかったですよね」
「昨日も3安打…あ、打ったわよ、おっきいわ」
「おおおおおおお、こっち来る!!!」
「わああ、すっごい、頭こえて行ったわよ!!!」
「2階席まで飛びましたね!!! すげえな石井」
「彼にはこれがあるのよね」
「長打力ありますからね。しばらくセカンドは石井で固定されるかもですね」
「それにしても、今日もグーリンは安定してるわね」
「いやあ、近くで見ると、まさに『火球』って感じでしたよ。球速表示よりズシンと感じます」
「カーブもいいのよね。ハムはいいピッチャー獲ったわね。もうあっという間に5回よ」
「あ、言っちゃダメですよ」
「言っちゃダメってアナタ言っちゃってるじゃない。『まだパーフェクト』でしょ」
「あああ、言っちゃった」
「そんなことで打たれるようならダメよアナタ…あ、ヒット」
「こういうのあるあるですよね。言ったとたんに打たれるんです」
「あたしはむしろ、パーフェクトとかがかかってるとドキドキして見てられなくなるから、一本くらい打たれた方が安心なのよね」
「そういえば、いつも最終回の大事なとこでいなくなりますよね。どこ行ってるんですか?」
「コンコースをうろうろしてるのよ。昨日も田中正義が最後ハラハラさせるから、見てらんなくて」
「一番おもしろいところなのに!」
「わーっていう歓声で、だいたいどうなったかわかるから、いいのよ」
「あはは。じゃあ今日は安心して見てられますね」
「ね。グーリン、すごいわね。完封するんじゃない?」
「いや、完封どころか…」
「言っちゃダメよ、マダックスでしょ」
「言っちゃってるじゃないですか」
「でも、いつ頃からマダックスなんて言いはじめたのか、最近よね」
「ですね。そもそもマダックスってピッチャーが、そんな往年の人ではないですから」
「最近のピッチャーなの?」
「90年代ですね。野茂さんがデビューした頃のライバルですから、最近といえば最近ですかね」
「それだって、もう30年前の話になるのよね。時がたつのって早いわ」
「さあ、最終回。今89球だから…ギリギリだけど、いけますよ、マダックス」
「マダックスって99球まで? 100球ならマダックスじゃないの?」
「えーと、たしか100球未満だったと思います。だから99球までじゃないかなって」
「じゃあギリギリじゃない? あ、ショートゴロ」
「91球かあ、あとアウトふたつ」
「みんな、一球ごとにスコアボードの投球数を確認してるの、楽しいですね」
「グーリン狙ってるかな?」
「4点差ありますし、どんどんストライク取っていけるから狙って欲しいですね」
「村林、ちょっとイヤなバッターよね」
「昨日満塁ホームラン打たれてますからね」
「あ、空振り三振!」
「ツーアウトね! 96球ということは、あと3球ね」
「グーリン、この回全部ストライク投げてます、すごいな」
「待ったところでどんどんストライク投げられるから…」
「打っていくしかないんですよね。あ、ショートゴロ!!!」
「やったああああ、マダックス達成よ!!」
「いや、ほんとに、とんでもないピッチャーですよ!!!」
「3連戦3連勝ね。楽天もいいチームだけど、勝ててよかったわ」
「ほんとですね。4月はエスコンでまったく勝てなくて苦しかったですからねえ」
「今日オリックスが負けたら、単独首位ね! さ、帰るわね、孫たちと晩御飯なの」
「あ、今日は母の日でもありますものね。楽しんでくださいね、また次回お会いしましょう」
「次はオリックス戦ね、楽しみだわ」