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「オリックスが3点先制したんですけどね」
「万波や石井が調子いいから、いつの間にか追いついちゃってたわよね」
「そうなんです、相手は名実ともにエースの宮城ですからね、いい感じで攻略できました」
「やっぱりレイエスが元気だと点が入るわね」
「ですよね! あ、昨日の2ランスクイズ、見てました?」
「昨日はね、甥っ子たちが家に来てたから、DAZNの追いかけ配信で見たわよ。すごかったわ、新庄さんやるわね」
「僕は一塁側の立ち見席で見てたんですが、あんなにスピード感あふれるプレイもないですよね。ドカンとホームランも面白いですが、ああいうスモールボールの醍醐味もありますよね」
「あら、『スモールボール』って何? 『スモールベースボール』って言い方なら知ってるけど」
「あ、すみません、僕どうしてもメジャーをずっと見ていたもので。『スモールベースボール』って言葉、英語だと『スモールボール』なんですよ。野球英語って、なぜだか日本に入ってくると独自の呼び方になっちゃいますよね」
「そういうの、他にもあるの?」
「ありますよ。『デッドボール』や『フォアボール』も和製英語です。それぞれ、『ヒット・バイ・ピッチ』、『ベース・オン・ボールズ』って呼びます」
「そういえば、『エンタイトル・ツーベース』とも言わないって聞いたことがあるわ」
「そうなんです。『グラウンドルール・ダブル』って言いますね。昔の日本の野球関係者が、みんなで日本なりの名称を考えたんですかね。面白いですよね」
「そういえば、アメリカだと応援団とかもないのよね。今年ドジャースの開幕戦を観たけど、静かでびっくりしちゃったわ」
「確かに応援団はいないんですが、アメリカの観客も、みんなで一斉に掛け声かけるの好きですよ。『ビート・LA!』とか『ボストン・ソックス!』とか、相手をあからさまに煽るチャントをかけたりします」
「そういえば、去年とか大谷くんが打席に入るたびに『MVP!』って声そろえて言ってたわね」
「ですよね。いや、それにしても北海道のお客さんのマナーの良さには、僕は本当に驚いていますし、感動すらしてます」
「あら、他は違うの? 私は北海道でしか野球見たことないから…」
「違いますね。特に僕は甲子園の近くで育ったので、最初に見たものがアレだったから」
「阪神ファンは凄そうね」
「確かにそうなんですが、甲子園の阪神ファンのヤジはなかなか粋で、僕は好きでしたけどね。エスコンのお客さんが、選手の誰かをヤジったりしたのを、僕は聞いたことがありません。むしろ、エラーしたりミスをした選手や、スリーボールになったピッチャーを拍手で励ましたりする。相手チームが牽制をするだけでブーイングをするようなこともしないですよね」
「そうそう、あの牽制の時にブーイングされるの嫌よねえ」
「だからエスコンのお客さんは、あのブーイングに、暖かい拍手で返すことを思いついた。『牽制したっていいのよ、私たちは応援しているよ』ってね」
「メジャーじゃ牽制のたびにブーイングするの?」
「試合の流れを壊すような牽制をした際には、個人それぞれの意思でブーイングしますが、応援団が一斉にするようなことはないですね。牽制したからブーイングする、みたいなシステム的なものって、見ていて気持ちよくはないですよね」
「わあ、レイエス、2ランよ!」
「これで2点勝ち越し、で8回は河野、9回は正義と。いい形ですね」
「そんなこと言ってる間に、河野が2連続フォアボールじゃない」
「ピッチャー、福谷に替わりました。昨日からの連投ですね」
「福谷も中日からFAで来てくれて、頑張ってるわよね」
「また連続フォアボールだわ。英語ではなんて言うんだっけ?」
「ベース・オン・ボールズ、ですね。1イニングで4つ出してたら、勝てませんよ。押し出しで1点差になっちゃった」
「2アウト満塁、でピッチャーは齋藤友貴哉なのね」
「苦しいとこですね、伸るか反るかの大ばくち。齋藤のおもしろいところですが」
「去年もノーアウト満塁の絶体絶命のピンチを抑えたものね」
「あ!」「あああ」
「逆転満塁ホームラン打たれるなんてね」
「いやあ、派手な逆転ですねえ。まさに齋藤友貴哉らしい展開ですね」
「中継ぎが崩れると一気に流れを持っていかれるわね」
「ベース・オン・ボールズばかりだと、こうなります。今日は負けるべくして負けましたよね」
「こんな日もあるわよね、それでも楽しい試合だったわ。ウチ帰ってレイエスのホームランもう一度見るわ」