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『スオミの話をしよう』
成瀬英樹
成瀬英樹
9月15日 11:39

昨日は『スオミの話をしよう』を札幌の駅ビル内にある映画館で観てきました。

 

僕は三谷幸喜さんのドラマは昔からほぼ楽しく観ているし、彼の映画は映画館で観ています。三谷さんの主戦場である舞台は拝見したことがないので(チケットが取れない)、まあ「ライトなファン」くらいの位置であろうかと思います。

 

この種の「大きなお金が動いた映画」の宿命で、俳優や監督ご本人があちこちのメディアでプロモーションの一環として映画のあらすじ的なことをホイホイ話してしまうということがあって、僕はそれらの情報を遮断することに一苦労します。だって何にもまったく知らないくらいで観ないと面白くないじゃん。何にもまったく知らないで観ることが出来るチャンスはたった一回なわけだから。

 

例えば、是枝監督の『怪物』を僕は公開から幾分時間がたってから映画館で観たのですが、映画を観る際は情報をまったく遮断する自分の癖に対してこれほど感謝したことはなかった。エンドロールで感動に震えながら、「成瀬、お前はよくここまで(こんなにメジャーな映画の)何をも知らないまま観ることができたな、がんばったな」って声をかけてやりました。

 

『スオミ』に関してもそう。何も知らなかった。なんの映画かも、知らなかった。それがよかった。だから、この映画の内容に関して、何かを語るのはやめておきます。

 

ただ一個言えるのは、僕にとってはこの映画、家でサブスクかBlu-rayか何かで観た方が楽しめたかも。というのも、おかしくておかしくて、爆笑の連続だったんだけど、映画館でそんなに大きな声で思う存分笑えないじゃないですか。家だったら、もっとガハガハ笑えたなあ。なんてね。

 

主演の長澤まさみさん、重要な役の宮澤エマさん、瀬戸康史さん、坂東彌十郎さんは、三谷さん脚本2022年のNHK大河『鎌倉殿の13人』組。僕も夢中になって観てたドラマだったから、嬉しかったな。宮澤さん、瀬戸さん、最高だった。

 

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長澤まさみさんとは、2度、現場で一緒になったことがある。「なんでやねん」とあなたは思うかもしれないが、本当にあるのだ。

 

とあるジブリ映画の彼女は主役の声優で、僕は主題歌を歌うシンガーのサポートギタリストとしてその場所にいた。一度目はホールの控室、2度目は都心の大きな映画館の隣にある超高級ホテルの一室(控え室として使っていた)。

 

長澤さんは映画のための舞台挨拶をされるためにそこにいて、僕はシンガーの主題歌披露の演奏をするために端っこの方にいたのだ。

 

『スオミ』を観て、ふとあの控え室での長澤さんのあまりにもナチュラルな姿を思い出した。プロデューサーやスタッフみんなとわいわいやってる彼女の笑顔を。あまりに自然にその場に馴染んでいたので、その笑顔の女性が主役の俳優だと気がつくのに時間がかかったことも。

 

「僕はこの人の笑顔を間近で見たことがあるんだぜ」と思わず誰かに言いたくなる、『スオミの話をしよう』はそんな映画。「それがどうした」と言われると返す言葉もないが、そうとしか言いようがないのだ。


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映画を観ていた間に、今回一緒に『動く唇』を作曲したナッポさんからいくつかLINEが来ていた。彼の作家仲間のみなさんにも大変好評をいただいていることを知らせてくれた。僕はとても嬉しかった。ナッポさんが、今回の仕事を誇りに思ってくれていることが伝わって来たから。そして、『動く唇』を聴いてくれた人にはしっかり届いていることを、僕たち作者が「実感」出来ていることが。

 

三谷幸喜さんもきっと、このやりたいことを全部やってしまったような映画を完成させ、手応えを「実感」されていることと思う。作品は公開されてしまえば作者の手を離れ、観たり聴いたりする人のものになるが、作者としてはその作品を作った「実感」こそが、目先の大ヒットなんかよりもずっと価値のあることなのだろうと思った。

 

僕が作曲家という仕事を愛する理由
成瀬英樹
成瀬英樹
9月14日 10:23

おはようございます!!!

 

『アトラクション ’77』プロジェクト、快調に進んでいます。作詞コンペで選ばれたsproutさんの歌詞に、次点の井指冬輝くんの歌詞を配合しつつ、成瀬がメロディをつけて整えています。

 

実は一昨々日、一昨日と二度、配信したり収録したりしたものが、録画に失敗しておりまして、それがどちらも結構な分量でリアルタイムで解説しながら作曲した「おいしい動画」だったので、僕としてもとても残念だし、みんなに大変申し訳ないと思いつつ。それでも僕の手元には、素晴らしい『アトラクション ’77』の「種」がもうすでにあります。ワンコーラスの弾き語りですが、この段階で全体をイメージ出来ないといい歌にはならないのですからね。

 

そんなわけで、引き続き作って行きます!

 

クリエーターズのみなさんは、ぜひ「BINGO! AID」曲の準備をしていてくださいね。順番に個々、連絡入れさせていただきますし、みなさんから先にアイデアを送ってくれても構いません。今年も楽しく一緒に曲作りましょう!

 

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僕がyou-me名義で作曲しましたWHITE SCORPION『動く唇』のMVが公開9日で早くも50万再生をクリア。


 

「YouTubeの数字の見方」として、再生回数とともに「高評価」の数が大切なのですが、そちらはすでに1万(!)を超えています。ご好評いただいているようで、作者の一人として大変嬉しく思います。

 

「ダンプラ動画」というダンスに焦点を当てたワンカメ動画もすでに2本アップされています。こんな文化があることを今回初めて知りました。ダンスを勉強している人や、それぞれのメンバーのファンの方にはたまらないアイデアですね。
 




 

「アルバムリード曲」(この文化も成瀬的には初)って「シングル表題曲」とほぼ同義語なんですね。一所懸命に集中して仲間と作った作品が、半年もたたずにこうしてたくさんの方に聴いてもらえる。僕がこの仕事を愛する理由の一つがここにあります。

 

来月には別のアーティストのメジャーリリースがあります。こちらは「成瀬英樹」名義での「表題+カップリング+アルバム収録」のトリプルコンボです。いいタイミングでお知らせできるように準備しております。もうバレバレかとは思いますが、発表の際は拡散をどうぞよろしくお願いします。「X」の場合は押すボタンは「♡」じゃなくて四角い方「リポスト」のボタンを押してください笑

 

札幌はすでに十分涼しいです。引き続き『百年の孤独』をチビチビ読んでます。まさに毎日チビチビ読むに相応しい本。世界の古典文学って、ドストエフスキーとかもそうなのですが、「攻略本」もたくさん出てるので、楽しみ方から指南してもらえるからいいね。

 

結局最後には、人間っていつの時代も、世界のどこでも、そんなに変わらない、愚かで時に愛おしい存在だよなあって思えるのがいいですね。

 

作曲レッスン動画、公開!
メンバー クリエーターズ 成瀬英樹ゼミ 〜プロ作曲家養成〜 成瀬英樹ゼミ 分割プラン 旧プロ養成コース
成瀬英樹
成瀬英樹
9月12日 15:21

おはようございます!

 

今日は朝からラジオの収録と作曲レッスンを楽しく終え、生配信をがんばっていたのですが、途中で音声トラブルが発覚! 結構たくさん喋って歌ったのですが、残念ながら今回もお蔵入りに。

 

で、やり直し配信をやっていましたが、途中で抜本的に変更が必要だと感じ、キリがいいので一旦配信をやめ、クライアントさんと意向を確認して、また再開しようと思います。やるからには絶対、いい歌にしたいからね。

 

そんなわけで、実は明日公開しようと思っていた、作曲レッスン動画を今日、公開します。レッスン一本まるごと収録しました。ゼミ生以外のメンバーのみんなにも観てもらえるようにしてますので、成瀬が普段どうやって作曲を教えているのか、ぜひ見学してみてくださいね。

 

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フラゲ日!
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成瀬英樹
成瀬英樹
9月10日 11:31

本日、WHITE SCORPIONさんの『動く唇』フラゲ日です!


 

朝生配信、ぜひご覧ください!⇩
 

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ステキなことはステキだと無邪気に笑える心
メンバー クリエーターズ 成瀬英樹ゼミ 〜プロ作曲家養成〜 成瀬英樹ゼミ 分割プラン 旧プロ養成コース
成瀬英樹
成瀬英樹
9月9日 14:44

おはようございます!

 

怒涛の週末でした。

 

土曜日のデーゲームをエスコンで観戦中にメールが。日曜日の夕方までに一曲提出のチャンスが来た。締め切りがタイトということは、それだけライバルが減るわけで、ここで提出できるのは「一晩で完パケられるガッツと実力のある作家」か「普段から締め切り関係なく楽曲を制作している作家」か「ストックを常に丁寧に整理している作家」だ。

 

ちょうど僕も作り始めた楽曲が手元にあったので、共作相手の方と連絡をとって、今回は僕主導で仕上げることに。

 

すぐにベースの金森さんに連絡してオッケーをもらう。金森さんが決まれば僕得意の「シェイク」ものが出来るので、元のエイトビートのメロディを16に変えることにする。仮歌はマツダヒロにお願いすることにした。女性アイドルコンペでも「男性ボーカル」が不利に働くことはまったくない。マツダが作曲してコンペで勝ち取ったAKB48『思いやり』も仮歌を歌ったのはマツダ自身だった。

 

野球の試合は楽勝ムードだったので8回でエスコンを出てバスの中で勝利を確かめた。僕は1978年からずっと野球ファンであるが、今年の新庄剛志監督の采配は歴代、メジャー合わせても3本の指に入る素晴らしいものだ思う。彼は人をマネージメントする力がある。大変な努力家なのだ。それを見せないから誤解されるのだが。いや、わざと誤解させている節もある。

 

30分後にはもう家に着いて仕事にかかった。作りかけていたメロディをもう一度聴き直してブラッシュアップ。大サビのメロも「ありきたり」だったので作り直す。サビのメロが何度聴いてもありきたりだから他のアイデアも試そうとするが、どうしても「取ってつけた」ようになってしまう。「ありきたり」対「取ってつけた」だと、「ありきたり」が勝利するのが僕の価値観だから、やむなくこのサビで行くことにする。

 

金森さんにデータを送るのは土曜の深夜になるだろう。それまでに、ベース抜きのままトラックを仕上げていく。共作者さんのイントロのギターのフレーズがご機嫌なのでそのまま使わせてもらうことにする。これをやると実にミスチル的に聴こえるのだが、元はジョージ・ハリスンのオハコフレーズだ。僕もこの40年間何度も使った手だけど、近年はミスチルのせいで使いにくくなっている。まるでモッズコートが『踊る大捜査線』の青島刑事のせいで着にくくなっているような感じか。
 

マツダに曲を送る。「ありきたりだと思うが、もうこれで行くしかない」と伝えると「そんなことないです! すごくいい曲ですよ!」と返信が。「君はいいやつだなあ」と僕が言うと、「いえ、成瀬さんにいいやつだと思われたくて言ってるんじゃないです。この曲はいい曲です!」と言ってくれた。

 

今回はマツダが正しかった。いい曲だった。作っている最中はどんな作家でもいいのかどうかを見失う。僕がラッキーなのは周りに冷静な目で見てくれる同業者がいることだ。あぶねえ、こんないいサビを「ありきたり」だとボツにするとこだったぜ。

 

僕の方はアコギを2本と、テレキャスのカッティング。ギターのハモはテレキャスとリッケンをそれぞれ2回ずつ重ねた。DAW時代になっても「ダブル」の手法は有益なのか? 僕はエンジニアじゃないからわからないけど、相変わらず、いろんな楽器は重ねて録音している。それはカセットテープのMTRの頃からずっと変わらない。

 

ベース抜きのトラックが概ね完成したところで、土曜日の作業を終えた。

 

日曜の朝、マツダから歌、金森さんからベースのファイルが来た。お二方ともさすがの出来。上手い人に歌ったり演奏してもらったら、他の楽器をゴタゴタと重ねる必要がなくなる。ベースと歌がしっかり決まれば、僕の拙いトラックでもなんとかなることを僕は経験で知っている。

 

ここからの作業は「楽しい」しかない。コーラスのボイシングやフレーズを考えるのも、それを重ねて行くのも、自分なりに何十年、毎回トライアンドエラーで研究してきたことだ。今回はオープンハーモニーで行くかクローズで行くか一瞬迷ったが後者でやってみた。オープンでも良かったかもしれないとあとで思ったが、そんなことを気にするのは歌ってる本人だけだ。そこが楽しいのだ。

 

結果、自分自身納得のいく作品が出来、提出出来た。共作相手の作家さんからもオッケーをもらえた。僕としては一日で作ったものというエクスキューズなしに、とても気に入っている。

 

24時間とちょっとの間、脳が高速で回転を続けていたので、少しクールダウンのため、夜はマツダと「パワプロ」で対戦した。一勝一敗。

 

今日の札幌は快晴。今夜はBINGO! のZoomミーティング。みんなの曲を聴き合う。ここのところのゼミ生のみんなの躍進がめざましい。50代、60代でも、音楽に対する愛があって、チャレンジする気持ちと「ステキなことはステキだと無邪気に笑える心」があれば戦える、って僕は思ってる。

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