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みなさん、おはようございます。昨日も僕は、起きている時間、ずっと愛用のMacBook Airとにらめっこしてました。にらめっこって、笑ったら負けなんだけど、僕はもう何度も負けてます。自分の作ってる曲が楽しくて、おかしくて、しょうがなくて、気がつけばひとりで笑ってました。
曲作りって本当に面白くて、どんなゲームよりも、どんな映画やドラマよりも、「自分でものを生み出す時間」に勝るものはないなって、改めて思います。
もちろん、締め切りが迫ってたり、「やらなきゃ」って気持ちに支配されると、DAWを開くのも少し心がキューってなっちゃうときもある。でも、いざ音を重ねていくと、そんなの忘れちゃうくらい夢中になれる。楽曲が少しずつ形になっていく、その過程は、今も昔も変わらず僕にとって特別です。
そんな僕の“作る喜び”を、毎日こうしてみんなと分かち合えたらいいなと思ってます。今日も作曲配信やります。ぜひ覗きにきてね。
それじゃあ、今日もいい一日にしよう!
おはようございます!
昨日は生配信のあと、続きのアレンジ作業を。
ゼミ生で60代のイラストレーター・斉藤さん、音楽はほぼ初心者ながら、キープ常連の彼の熱い楽曲に、僕のロック魂が久しぶりに点火。ガツンと歌わせていただきました。
今日の配信は必見です。ほんのちょっと手を加えただけで、ぐっと強くなる楽曲の見本。斉藤さん、ありがとうございます。
午後から夕方にかけては、自分の作曲を。ふとイメージが湧いてきたので、ガットギターをかき鳴らしながら、いい感じのメロディができたんじゃないかなと思います。
こういうのは、一晩寝かせるのが大事。今から配信で聴き返してみようと思います。
夜は、小樽まで電車でひとっ走り。僕の最寄り駅から小樽までは、片道で1時間かからないくらい。
というのも、オーディブルで春樹さんの『スプートニクの恋人』を聴きはじめたら止まらなくなってしまって。あまりに孤独な話なので、部屋で聴いているのがつらくなって、外で聴こうと思ったのです。雪はほとんどなくなったとはいえ、夜の散歩には札幌の夜はまだ寒すぎる。
それならばと、電車に揺られながら、その世界にじっくりと浸ることにしました。
いや、結果的にすごくいい読書体験でした。宮崎あおいさんの朗読の素晴らしさもあって、僕にとっては春樹さん作品の中でも正直あまり得意じゃなかった(というか、一番苦手だったかもしれない)この物語が、心に染み入りました。
小説って、何度も読むと本当に印象が変わるんですね。
『スプートニクの恋人』、何回目だろう。そして、これからの人生であと何度読むことになるんだろう。
さあ、水曜日!
今朝も、作曲生配信やっていきますよ!
今朝起きてXを眺めていたら、懐かしい名前を見つけた。丸山茂雄さん。この動画の中で、僕の人生を変えた一言をくれた方だ。昨年の初夏の記事が、なぜ今ごろ広告として流れてくるのかはよくわからないが、尊敬する村井邦彦さんとの対談を、僕は楽しく読んだ。
1995年1月10日。阪神淡路大震災の一週間前、神戸のライブハウス「チキンジョージ」で、僕たちのバンド FOURTRIPS は、大切なライブを行った。
伊藤銀次さんのもとで一年以上かけて鍛えてきた楽曲とステージング。その集大成として、当時のソニー社長・丸山さんを招いてのプレゼンテーションライブだった。銀次さんが「神戸におもしろいバンドがいる」と丸山さんに売り込んでくれたわけだ。僕たちはこの日のために徹底的に準備を重ね、全力で演奏し、歌った。
ライブ後、丸山さんは打ち上げの席で僕にこう言った。
「成瀬、お前はアーティストっぽくねえな」
穏やかな口調だったが、僕には強く響いた。それは音楽性や歌唱ではなく、自分という人間に対する評価だったからだ。そんなわけで、僕たちはソニーからのデビューを逃した。
丸山さんは、エピックソニーで佐野元春さん、大江千里さん、渡辺美里さん、ザ・モッズなどを見出してきた。そんな丸山さんが僕を見て、そう判断したのだという事実を、僕はすぐには受け止めきれなかった。それは、「持って生まれたもの」の話だった。努力では超えられない一線を、丸山さんははっきりと示してくれたのだ。
当時の僕は、心のなかで小さく反発していた。「でも、大江千里さんだってポップじゃないか」と。だけど今ならわかる。丸山さんが言ったのは、音楽のスタイルではなく、アーティストとしての核に関わることだった。あの言葉は、紛れもなく真実だった。僕は「彼らのようなアーティスト」ではない。
それでも、自分が声をかけて集めたバンドだった。「絶対にプロにする」と言ってバンドに巻き込んだメンバーたち。学生もいれば、社会人もいた。それでもこのバンドに賭けてくれた。だからこそ、自分の力不足でそのチャンスを逃したことが、何よりもつらかった。
だからと言って、一体どうすれば「アーティストっぽく」なれるのか。僕は完全に迷った。
その10日後、阪神淡路大震災が起きた。バンドどころではなくなった。
それでも僕たちは、少しずつ活動を再開した。翌年、まったく違うプロデューサーから声をかけてもらい、FUN HOUSEからデビューすることができた。デビュー曲は、TBS木曜10時のテレビドラマ主題歌に抜擢された。
僕は東京へ出て、最初の3ヶ月間だけ、突然、芸能界の真ん中に放り込まれることになった。テレビに出演し、雑誌にも掲載された。全国を飛びまわり、ラジオのプロモーションにも勤しんだ。けれど、その渦中で、僕の頭にはずっと一つの疑問があった。
「僕は、なぜここにいるんだろう?」
日々が目まぐるしく過ぎていくなか、自分の足元が見えなくなっていった。そして、ここで当たり前のことにはっきりと気づかされた。デビューするということは、福山雅治さんやB’zのようなアーティストたちと同じ舞台に立つことなのだと。同期デビューのスガシカオさんの曲を聴いて、本気で神戸に帰ろうと思った。僕が彼らに立ち向かえるはずがないじゃないか。アーティストとして生まれ落ちるということは、ああいうことなのだ。
もちろん、今も音楽は僕の中心にある。歌い、曲を作り、人と音を共有している。ただ、あの頃のように“ど真ん中”に立つことはもうない。それは、逃げたわけではなく、選び取った立ち位置だ。「作曲」でなら、努力と工夫でなんとかなるんじゃないか。
まがりくねった道だったけど、なんとかなったんだろうか? そしてこれからも「なんとかなる」ためには、どのくらいの努力が必要なのだろうと思うと、気が遠くなる。
が、今の僕は自信を持って言える。僕はアーティストだ。
「職業としてのアーティスト」ではなく、生きていく過程こそが「アート」だと気がついたのだ。そしてそれを決めるのは僕自身だ。
僕が僕を裏切るようなことをしなければ、僕は僕をアーティストとして認め続けるだろう。僕がここから降りさえしなければ。56歳になった今だからこそ、あのときの丸山さんの言葉をよく思い出す。あれは、僕の道を決定づける一言だった。あの言葉がなければ、その後の人生で、もっと深く傷ついていただろう。
丸山さんに、感謝しています。あきらめさせていただいて、ありがとうございました。あきらめたからこそ、あきらめない覚悟が出来たのです。お会いしたのはあの一度きりですが、本当にありがとうございました。あのときの言葉を、僕は今でも大切にしています。そして、これからもずっと忘れません。
作曲家志望の方が、アイドルに向けて“いかにも”なアイドルソングを書いてしまうこと、よくあります。若い方も、そうでない方も、最初はその“間違い”をやってしまいがちなんです。
でもね、アイドルに向けてアイドルソングを書いていいのは、ごく一部のエリート作曲家だけです。これは、僕が何年もかけて現場で見てきたうえでの実感で、間違いありません。
もう一度、言いますね。アイドルに向けてアイドルソングを書いていいのは、ごく一部のエリート作曲家だけ。「成瀬クラス」のポンコツ作家は、まず“普通に良い曲”を書こうよ。
アイドルに曲を書くというのは、そこにお化粧や装飾が加わって完成するもの。でも、まだ曲作りの基本が身についていない段階で、そういったお化粧に意識が向いてしまうと、ゴテゴテして中身のよくわからない曲になってしまうことが、本当に多いんですよ。
エリート作家の書くアイドルソングというのは、まず曲そのもの、メロディーそのものが素晴らしい。その上で、お化粧や装飾が施されているからこそ、魅力的なんですよね。そこに目を向けてみて。だからこそ、まず目指してほしいのは「良い曲」を書くこと。ピアノ一本、ギター一本で聴いても美しいと思えるような楽曲。それが絶対的な基本です。
バンドをやっていた方がコンペで結果を出しやすいのも、実はここが理由だったりします。バンドというのは、限られた編成でアレンジを工夫する必要がある。ドラム、ベース、ギター、キーボード。この基本編成だけで曲を仕上げていくスキルは、本当に大きな力になります。
一方で、DTMから音楽を始めた方や、青春時代にアイドルソングばかりを聴いていた方は、「お化粧」に頼りすぎてしまい、曲そのものの良さをないがしろにしてしまう。そうなると、編成がシンプルになったとたん、その曲の“つまらなさ”が露呈してしまうんです。
本質を、しっかり見てほしい。だから僕はいつもこう言っています。
「乃木坂の採用をとりたいなら、乃木坂を追いかけるな」
そのまま真似するのではなく、乃木坂の表題曲を生み出した作家たちが、何を聴いて育ったのかを辿ってください。さらに言うと、彼らに影響を与えたアーティストの、そのまた源流まで遡って聴いてみてください。
そのうえで、あなた自身のフィルターを通して、令和のアイドルソングを新しく創り出すこと。この意思こそが、現状を打破する道だと僕は考えています。そして結果的に長く続けられるソングライターになる近道だと思います。
まずは、いい曲を書こう。ピアノ1本でも、ギター1本でも、美しいと思える曲を。お化粧はそのあとでいい。まっすぐなメロディが、ちゃんと聴こえてくるなら大丈夫。焦らなくていいんだよ。長く続けるために、今やるべきことはシンプルなんだから。